平成29年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 マダラ 魚種写真
学名 Gadus macrocephalus
系群名 太平洋北部系群
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 8歳
成熟開始年齢: 3歳(1~69%)、4歳(100%)
産卵期・産卵場: 冬季、仙台湾、八戸沖、三陸沿岸の各地(砂泥底)
食性: 浮遊期はカイアシ類幼生、魚卵、十脚目幼生、若齢期はオキアミ類、成魚期は魚類、頭足類、大型甲殻類
捕食者: 小型のマダラは大型のマダラに捕食される

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漁業の特徴

沖合底びき網漁業(沖底)で最も多く漁獲され、次いではえ縄、刺網、小型底びき網漁業(小底)による漁獲が多い。これらの漁業では周年漁獲されているが、冬に接岸する個体を対象にした定置網による漁獲もある。満1歳ぐらいから漁獲対象となる。東日本大震災(震災)以降は漁獲圧が低くなっている。

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漁獲の動向

漁獲量は1998年と1999年には2万トン前後に達した後、増減を繰り返しながら長期的には増加し、2010年には2.6万トンとなった。2011、2012年は震災の影響により震災以前に比べて減少したが、2013年には過去最高の3.0万トンを記録しており、2014年もほぼ同レベルの漁獲量になった。その後減少し、2015年には2.4万トン、2016年は暫定値ながら1.6万トンである。

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資源評価法

資源の状態は、1995年以降、毎年10~11月に青森県沖~茨城県沖の水深150~900mで実施している着底トロール調査(調査年ごとの定点数57~150点)により評価した。調査によって得られたマダラ全個体について年齢査定を行い、面積密度法を用いて年齢別に資源量を推定した。さらに過去のコホート解析と資源量調査の結果をもとに採集効率を推定し、補正したものを資源量とした。

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資源状態

資源量は1996~2011年には1.3万~6.6万トンで推移していたが、震災以降急増し、2014年には19万トンを超えた。その後やや減少し、2015年および2016年には14万トン台になった。2~5歳以上の個体数がやや減少したこと、個体あたりの体重が2017年に大きく減少したことにより、2017年の資源量は8.3万トンに減少した。近年は、成長の鈍化や成熟の晩熟化による親魚量の減少傾向(2017年は3.1万トン)、再生産成功率の低下が認められる。極めて少ない親魚量から大きな加入が発生していることから、Blimitは設定していない。資源量が1996~2011年の平均値より30%多い5.4万トン以上は高位水準、30%少ない2.9万トン以下は低位水準とし、水準は高位、最近5年間(2013~2017年)の資源量の推移から動向を減少と判断した。

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管理方策

多様な年齢構成を維持しつつ、次世代の加入を促すことを管理目標とした。現在の年齢構成は若齢魚から高齢魚まで幅広く、漁獲圧は震災以前に比べて低い。今後も震災以前のような高い漁獲圧がかからなければ、この多様な年齢構成を維持できると考えられる。ただし成長の鈍化や成熟の晩熟化、再生産成功率の低下が認められるため、資源の回復力の低下を考慮し、現在の漁獲圧にβ1=0.8を乗じたものを管理基準とした。 マダラの親魚は市場価値が高いことから、親魚を増やすことは次世代の加入促進と生産額の増大の両面で有効である。
管理基準 Target/Limit 2018年ABC
(千トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.8Fcurrent Target 18 17 0.25
(-36%)
Limit 22 21 0.31
(-20%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:成松庸二・服部 努・柴田泰宙・鈴木勇人・森川英祐・永尾次郎

資源評価は毎年更新されます。