平成29年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ホッケ 魚種写真
学名 Pleurogrammus azonus
系群名 根室海峡・道東・日高・胆振
担当水研 北海道区水産研究所

生物学的特性

寿命: 10歳以上
成熟開始年齢: 1歳(一部)、2歳(大部分)
産卵期・産卵場: 10月中~11月中旬、知床半島先端水域、他に日高沖や根室海峡(時期は不明)
食性: 仔魚期には主にカイアシ類、未成魚期にはヨコエビ類、岩礁周辺で定着生活に移行後は魚類、魚卵、イカ類、エビ類、ヨコエビ類、オキアミ類など
捕食者: 不明

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漁業の特徴

刺網、定置網などの沿岸漁業、沖合底びき網漁業(沖底)で漁獲され、総漁獲量の7~9割は沿岸漁業による。襟裳以西(日高・胆振)および道東では沖底および刺網、北方四島では沖底、根室海峡では刺網および定置網による漁獲が主体である。北方四島操業枠組み協定に基づき、国後島沿岸における刺網による漁獲も行われている(安全操業)。我が国の他、ロシアでも漁獲されているが、操業実態は不明である。

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漁獲の動向

漁獲量は、1989年の1.42万トンから1992年に5,300トンに半減した後、2010年までは5,000トン~1.2万トンで推移した。2011年以降は大きく減少して5,000トン以下になり、2014年以降はさらに急減して1,000トンを下回り、2016年は2015年の230トンよりさらに減少して120トンとなった。海域別漁獲量は根室海峡で最も多く、総漁獲量の5割以上を占めている。2016年の根室海峡の漁獲量は、過去最低の90トンであった。

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資源評価法

根室海峡および道東の漁場は北方四島周辺水域と接しており、海域全体の資源量を推定することは困難である。そのため、漁獲量の変動が中長期的に資源状態を反映していると仮定し、当該海域における漁獲量から資源水準を判断した。根室海峡における刺網の一隻あたり漁獲量(CPUE)を年、月、階層などを説明変数とする一般線形化モデルにより標準化し(以下標準化CPUE)、標準化CPUEの推移から資源動向を判断した。また、根室海峡の定置網類(さけ定置、小定置)、太平洋側海域(道東、襟裳西、北方四島)における沖底のCPUEを資源動向判断の参考とした。

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資源状態

資源水準は、過去32年間(1985~2016年)の漁獲量の平均値を50とした場合の相対値を水準値として、65以上を高位、35以上65未満を中位、35未満を低位と設定した。2016年の漁獲量は120トンで水準値は1となり、低位と判断した。動向は、過去5年間(2012~2016年)の標準化CPUEが急減していること、根室海峡における定置網類のCPUEが2011年以降大きく減少していること、当該海域全域で漁獲量が急減したこと、太平洋側海域における沖底の各海域におけるCPUEの減少傾向から、減少と判断した。


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管理方策

資源水準・動向は低位・減少で、現状の漁獲圧の下では資源状態は低調なまま推移することが予想され、資源が激減した現在、積極的な漁獲をさけるべきである。一方、本資源についてはロシア水域との跨り資源であり、特に漁獲の主体をなす根室海峡については隣接する北方四島海域との資源の往来も想定されることから、当該海域においてのみの管理では資源全体の回復を図ることは困難である。また、海洋環境などで来遊状況が変化すると想定されるなかで、わずかな数値をABCとして示しても管理上有効なABCの精度が確保できないと考えられる。よって、資源量指標値の変化から計算される漁獲量をABCとしてではなく、算定漁獲量とし資源の状態に合わせた漁獲とする。
管理基準 Target/Limit 2018年
算定漁獲量
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.7・C2016・0.09 Target 6
Limit 7

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:森田晶子・濱津友紀・岡本俊・山下紀生

資源評価は毎年更新されます。