平成29年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ヤナギムシガレイ 魚種写真
学名 Tanakius kitaharae
系群名 太平洋北部
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 雄6歳、雌20歳(ほとんどは10歳以下)
成熟開始年齢: 雄:2歳(ほぼ100%)、雌:2歳(一部)、3歳(100%)
産卵期・産卵場: 福島沿岸では1~6月、盛期は1~3月、水深100m前後の沿岸各地
食性: 主に多毛類と甲殻類
捕食者: 不明

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漁業の特徴

主に沖合底びき網漁業(沖底)で漁獲され、次いで小型底びき網漁業による漁獲が多い。主漁場は水深50~200mで、繁殖期の冬場は80~100m、その他の時期は120~140mで漁獲が多い。

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漁獲の動向

全漁業種類の漁獲量は1997~2000年には288~386トンを記録していた。2001~2008年にはピークの半分以下で推移していたが、2009、2010年には220トン前後に増加した。東日本大震災(震災)以降大きく減少したが2013年以降増加し、2016年には239トンになった。沖底の漁獲量も2011年以降は震災の影響で大きく減少したが徐々に増加しており、2016年は129トンであった。近年は総漁獲量、沖底ともに福島県と茨城県(房総~常磐)での漁獲が多く、北側の青森県や岩手県(岩手~尻屋崎)では少ない。

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資源評価法

1998~2016年に茨城県と福島県で漁獲されたヤナギムシガレイの年齢別漁獲尾数を求め、1~7歳以上の7年齢群についてコホート解析を行い 、年別年齢別資源尾数および漁獲死亡係数Fを推定した。この年齢別資源尾数に年齢別の体重を乗じたものを年齢別の資源量とした。資源量ならびに金華山~房総海区の沖底の単位努力量当たり漁獲量(CPUE)を基に資源水準と動向を判断した。

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資源状態

資源量は1998年の1,198トンから減少し、2001~2014年は480~700トンで推移していたが、2015年は770トン、2016年は1,212トンと増加の傾向が認められている。また、2016年の親魚量は426トンである。現在の資源は幅広い年齢層で構成されている。これは近年再生産成功率が上昇傾向にあり、特に2013および2015年級の仔稚魚期の生き残りが良かったことに加えて、主漁場である常磐海域の漁獲圧が極めて低いため、 2歳までの生き残りがよかったためと考えられる。1997年以前に連続して発生した卓越年級は非常に少ない親から発生したと考えられることなどの理由により、 Blimitは設定していない。金華山~常磐海区のCPUEおよび資源量の最大値と0を3等分し、水準を判断した。その結果、両指標値はともに高位と中位の境界を上回ることから、資源水準は高位と判断した。また、最近5年間(2012年~2016年)のCPUEおよび資源量の推移から動向は増加と判断した

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管理方策

近年には大きな加入もあったことから、一定量の親魚量を維持できれば、資源が急激に減少することはないと考えられる。そのため、親魚量を一定水準確保することを管理目標とし、F30%SPRを基準値として2018年ABCを算定した。 現在の資源は幅広い年齢層で構成されていることが特徴となっており、比較的安定している。そのため、漁獲圧を高すぎないように抑え、次世代の加入を阻害しないように親魚量を確保することが重要である。
管理基準 Target/Limit 2018年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
F30%SPR Target 275 22 0.39
(-3%)
Limit 331 27 0.48
(+21%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:成松庸二・服部 努・鈴木勇人・森川英祐・柴田泰宙

資源評価は毎年更新されます。