令和元年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 イトヒキダラ 魚種写真
学名 Laemonema longipes
系群名 太平洋系群
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 雄18歳、雌24歳程度
成熟開始年齢: 雄5歳以上、雌7歳以上
産卵期・産卵場: 2~4月、関東・東北南部沿岸~本州東方の外洋域(黒潮~黒潮続流域)
食性: オキアミ類やカイアシ類などの甲殻類、ヤムシ類、ハダカイワシ科魚類など
捕食者: ムネダラなどの大型ソコダラ類やオットセイ、マッコウクジラ、ツチクジラなどの海産哺乳類

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

本種は主に沖合底びき網(沖底)によって漁獲されており、東北海域における漁獲は金華山海区で最も多い。 スケトウダラの代替で練り製品の原料として利用されており、漁獲圧はスケトウダラやその他魚類の漁獲状況によって変化する。 日本の排他的経済水域(日本水域)内では、ロシアに対して漁獲量が割り当てられている。 なお、2011~2018年は東日本大震災(震災)の影響で有漁網数が大きく減少している。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

日本水域内における漁獲量は2000年に4.8万トンでピークを迎えた後減少し、2018年は7,787トンであった。 北海道の沖底による漁獲は1996年以降急激に減少し、2018年は114トンであった。 東北海域の沖底による漁獲は震災後激減し、2018年は1,111トンであった。 ロシア船の漁獲は2008年以降減少傾向にあり、2018年は6,561トンであった。 震災後は日本船の漁獲が少なく、ロシア船の漁獲の割合が高い。

▲このページのTOPへ

資源評価法

着底トロール網を用いて、6~7月に北海道太平洋沿岸で底魚類共同資源調査、10~11月に東北海域で底魚類資源量調査を実施し(2018年の北海道太平洋沿岸では水深350~900mの計9点、東北海域では水深150~900mの計107点)、面積-密度法を用いてイトヒキダラの現存量を推定した。 トロール調査による現存量推定値を資源量指標値として用い、資源の水準および動向を判断した。

▲このページのTOPへ

資源状態

現存量は、1995~2018年の東北海域で3.2万~7.3万トン、1999~2018年の道東海域で9,282~7.2万トンおよび襟裳以西海域で9,078~8.9万トンで推移しており、1999~2018年の東北海域と北海道太平洋沿岸の両海域合計の現存量は6.1万~20.2万トンで推移している。 2018年の現存量は東北海域で4.5万トン、道東海域で9,282トン、襟裳以西海域で1.4万トンと推定され、合計の現存量は6.8万トンであった。 資源水準は現存量の平均値の60%未満を低位、140%以上を高位とした。 2018年の現存量は平均値の61%であったことから、水準は中位と判断した。 直近5年間(2014~2018年)では、現存量には明確な増減はみられないことから、動向は横ばいとした。

▲このページのTOPへ

管理方策

成長が遅く成魚になるまで年数がかかることに加え、数年に一度発生する卓越年級によって資源が支えられているため、親魚を獲りすぎないようにする必要がある。 したがって、資源水準に合わせた漁獲を管理目標として2020年のABCを算定した。 近年の資源状態はあまり良くないと考えられるが、2018年には体長組成に小型魚の山がみられており、今後の加入が期待される。 しかし、本資源は成熟しても毎年産卵するわけではないことが知られており、実際に良い加入は不定期であるため、今後の加入動向を注視する必要がある。
管理基準 Target/Limit 2020年ABC
(千トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値
からの増減%)
0.9・Cave3-yr・1.04 Target 8
Limit 10

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ

執筆者:鈴木勇人・成松 庸二・柴田泰宙・森川英祐・時岡 駿・永尾次郎

資源評価は毎年更新されます。