令和元年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ヒラメ 魚種写真
学名 Paralichthys olivaceus
系群名 太平洋北部系群
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 雄10歳、雌12歳
成熟開始年齢: 雄2歳(100%)、雌3歳(100%)
産卵期・産卵場: 5~9月(盛期は6~8月)、沿岸各地の粗砂および砂礫地帯(水深20~50m)
食性: 着底稚魚はアミ類、全長10cm以上は魚類
捕食者: 着底直後はエビジャコ類、着底後1~2ヶ月はヒラメを含む他の大型魚

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漁業の特徴

東北海域では、ヒラメは沖合底びき網・小型底びき網・刺網・定置網等によって漁獲されている。 漁業は周年行われているが、1歳魚が漁業に新規加入する秋に漁獲量が増加する。 近年、資源の保護・管理を目的として、漁具漁法、目合制限、操業時期などのさまざまな規制措置が行われている。 特に全長制限(30cm未満、一部地域では35cm未満)が各県で実施されており、30cm未満の当歳魚の漁獲はほとんどない。 1990年代から各県において種苗放流が盛んに行われており、2017年の種苗放流数は269.4万尾であった。

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漁獲の動向

東北海域におけるヒラメの漁獲量は10年程度の周期的な変動をしている。 1980年代後半から1990年代前半の漁獲量は1,000トン前後であったが、その後は増加し、概ね2,000トン以上を維持している。 2014年と2015年の漁獲量は3,000トンを超えたものの、2018年の漁獲量は2,173トンに減少した。 近年は海域によって傾向が異なり、南部(宮城県、福島県、茨城県)では、震災後に宮城県を中心に漁獲量が急増しているのに対し、北部(青森県、岩手県)では増加がみられていない。

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資源評価法

南部海域(宮城県・福島県・茨城県)の雌雄・年齢別の漁獲尾数を用いて系群全体の雌雄・年齢別漁獲尾数を推定するとともに、コホート解析によって資源量を推定した。 解析は漁期年(7~翌年6月)単位で実施し、1990~2017年漁期を対象とした。

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資源状態

資源量は、1990年代前半は2,000トン前後であったが、2011~2013年漁期に急増し、2013年漁期には1万トンを超えた。 その後、資源量はやや減少し、2017年漁期の資源量は9,889トンと推定された。 震災前の漁獲割合は40~53%で推移していたが、震災直後の2011~2012年漁期は18%に低下した。 2013年漁期以降は24~26%に上昇したが、震災前の約半分の水準となっている。 Blimitは高い再生産成功率があったときに高い加入量が期待できる親魚量(1,670トン)として設定し、中位と低位の境界とした。 また、1990年以降の最大親魚量である9,009トン(2013年)とBlimitの中間(4,547トン)を高位と中位の境界とした。 2017年漁期の親魚量は7,801トンでBlimitを上回り、高位と中位の境界を上回ったことから、高位水準と判断された。 しかし親魚量は年々減少しており、直近5年間(2013~2017年)の親魚量の推移から動向は減少と判断した。

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管理方策

資源量は減少傾向にあるものの、近年の安定した加入と震災後に低下した漁獲係数によって親魚量が依然として高位水準に維持され、Blimitを大きく上回っている。 そこで、加入量水準を維持するとともに、現状の資源を有効利用することを管理目標として、Fmaxを管理基準に用いてABCを算定した。 ヒラメの資源管理においては、小型魚の漁獲をしないことが有効である。 なお、種苗放流魚の混入率(黒化率0.7で補正)は、2012年漁期以前は10%前後であったが、2015年漁期以降は5%を下回り、2017年は3.7%であった。 種苗放流による今後の加入尾数は、2017年の種苗放流数(269.4万尾)が継続し、添加効率(0.1)で加入するとして予測した。
管理基準 Target/Limit 2020年漁期ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値
からの増減%)
Fmax Target 2,100 21 0.27
(-21%)
Limit 2,540 26 0.34
(-2%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:木所英昭・冨樫博幸・成松庸二・柴田泰宙・栗田 豊

資源評価は毎年更新されます。