令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 マダラ 魚種写真
学名 Gadus macrocephalus
系群名 太平洋北部系群
担当水研 水産資源研究所

生物学的特性

寿命: 8歳
成熟開始年齢: 3歳(平均28%)、4歳(平均77%)
産卵期・産卵場: 冬季、仙台湾、八戸沖、三陸沿岸の各地(砂泥底)
食性: 浮遊期はカイアシ類幼生、魚卵、十脚目幼生、若齢期はオキアミ類、成魚期は魚類、頭足類、大型甲殻類
捕食者: 大型のマダラは小型のマダラを捕食する

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漁業の特徴

沖合底びき網漁業(沖底)で最も多く漁獲され、次いではえ縄、刺網、小型底びき網漁業(小底)による漁獲が多い。 これらの漁業では周年漁獲されているが、冬に接岸する個体を対象にした定置網による漁獲もある。 満1歳ぐらいから漁獲対象となる。 東日本大震災(震災)以降の漁獲圧は低かったが、規制の解除などに伴い、年々高くなる傾向にある。

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漁獲の動向

漁獲量は1995年漁期(4月~翌年3月)以降増加し、1998年漁期には2.4万トンに達した。 その後は増減を繰り返しながら長期的には増加し、2010年漁期は2.8万トンとなった。 2011年漁期、2012年漁期は震災の影響により少なくなったが、2013年漁期および2014年漁期には福島県および茨城県における漁獲が少ないにもかかわらず2.8万トン前後を記録した。 その後減少し、2016年漁期には1.0万トン、2019年漁期には暫定値で7,000トンとなっている。

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資源評価法

4月~翌年3月を漁期とし、コホート解析により資源量を推定した。 漁期を上半期と下半期に分け、漁獲物の体長組成を年別半期別に求めたage-length keyで年齢分解し、漁獲物の年齢組成を求めた。自然死亡係数は定期的に見られる年齢(7歳)と田内・田中の式から、0.357とした。 また、底魚類資源量調査(10月~11月)で求めた年齢別の現存量をチューニングの指数として用いた。

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資源状態

資源量は1996年漁期~2011年漁期には2.5万トン~6.4万トンで推移していたが、震災以降増加し、2013年漁期には8.1万トンとなった。 その後減少し、2019年漁期には1.9万トンになった。 1996年漁期~2019年漁期の親魚量は3,900トン~1.9万トンで推移しており、2019年漁期は3,900トンで最も少なかった。 再生産関係が不明瞭で卓越年級が発生する最低親魚量も不明であることから、Blimitは設定していない。 資源量が1996年漁期~2019年漁期の平均値より30%以上多い場合は高位水準、30%以上少ない場合は低位水準とした。 2019年漁期の資源量は平均値の42%に相当することから水準は低位、最近5年間(2015年漁期~2019年漁期)の資源量の推移から動向は減少と判断した。 近年加入が少ない傾向にあること、年齢当たりの体重が軽くなったことが作用して、2019年漁期の資源量は各年齢で少なくなったことにより、低位となった。

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管理方策

漁獲圧の増加により親魚までの生残率が低下していること、マダラの成長は早く、漁獲圧を抑えることで親魚量が速やかに回復することが期待できること、これまでは資源が減少しても比較的短期間で回復していることから、加入あたりの適切な親魚量を確保することを管理目標とした。 F20%SPRを基準値とし、これにβ2=0.8を乗じたものを管理基準とした。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.8F20%SPR Target 50 22 0.36
(-53%)
Limit 60 27 0.45
(-42%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:成松庸二・鈴木勇人・森川英祐・時岡 駿・三澤 遼・金森由妃・冨樫博幸・永尾次郎・柴田泰宙

資源評価は毎年更新されます。