令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 マダイ 魚種写真
学名 Pagrus major
系群名 日本海西部・東シナ海系群
担当水研 水産資源研究所
水産技術研究所

生物学的特性

寿命: 20歳程度
成熟開始年齢: 3歳(50%)、4歳(100%)
産卵期・産卵場: 南ほど早く、鹿児島沿岸では2月~5月、長崎県の五島西沖や鯵曽根では3月上旬~5月下旬、壱岐・対馬周辺では4月~6月、福岡県では3月~5月下旬
食性: 稚魚は動物プランクトン、成魚は甲殻類や貝類、多毛類など
捕食者: 大型の魚類など

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

本系群を対象とする漁業は船びき網(56%)、釣・はえ縄(16%)、小型底びき網(7%)、沖合底びき網(6%)、刺網(6%)など多種多様である。 2019年の県別の漁獲量の割合は、福岡県(31%)、長崎県(28%)の順に多く、島根県(11%)がそれに次いだ。 本系群では1970年代中頃より種苗放流が行われているが、放流尾数は1998年の900万尾から2018年には280万尾となり、近年は徐々に減少している。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

漁獲量は、1969年の1.1万トンがピークで、1990年の5,111トンまで減少が続いた。 それ以降、現在まで5,000トン~7,000トンの範囲内で推移している。 直近5カ年(2015年~2019年)の漁獲量は横ばいを示し、2019年の漁獲量は昨年と同じ6,607トンであった。 全国のマダイ漁獲量に対する本系群の占める割合は42%であった。

▲このページのTOPへ

資源評価法

漁業種別体長組成や年齢組成に基づいて、1986年~2019年の年齢別漁獲尾数を推定し、コホート解析を実施した。 自然死亡係数Mは、寿命を20年と仮定した0.125を用いた。 コホートがまだ完結していない年級群の最近年の年齢別資源尾数は、各年齢につき過去3年間平均の漁獲係数(F)を用いて計算した。 解析に際しては、1993年頃から各地で漁獲における全長制限が導入されたことで、漁獲尾数の推定精度が下がる0歳魚を除外して資源への加入年齢は1歳とした。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源量は1994年~1998年に1.7万トンに達した後、2001年の1.5万トンまで減少を続けた。 2002年以降は増加し、2019年まで1.5万トン~1.8万トンの間で推移した。 2019年の資源量は1.8万トンとなった。 再生産成功率は、過去の平均値1.23に対して2019年は1.27となり、平均値に近い値を示した。 再生産関係では、親魚量と翌年の1歳加入尾数との間に正の関係が認められるため、加入量が比較的高い親魚量の下限値である2005年の親魚量をBlimit(1.01万トン)とした。 過去の親魚量の最高値は最低値の1.2倍程度であり、資源水準の基準となる親魚量の変動幅が非常に小さいため、高位と中位の区分は困難と判断し、高位水準の設定はしていない。 中位と低位の境界値はBlimitとした。 2019年親魚量は1.03万トンであり、Blimitを上回っているため水準は中位、動向は最近5年間(2015年~2019年)の資源量の推移から横ばいと判断した。

▲このページのTOPへ

管理方策

現状の漁獲圧で漁業を継続しても資源は増加することが予測されたことから、資源量を増加させることを管理目標としてこれを実現するFcurrentを管理基準とし、ABCを算定した。 2019年の放流魚の混入率は2.9%、添加効率は0.14であった。 種苗放流は天然の加入群を下支えする一定の効果はあると考えられる。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値から
の増減%)
Fcurrent Target 5,382 30 0.38
(-20%)
Limit 6,411 36 0.48
(±0%)

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ

執筆者:中川雅弘・門田 立

資源評価は毎年更新されます。