令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 サワラ 魚種写真
学名 Scomberomorus niphonius
系群名 瀬戸内海系群
担当水研 水産資源研究所

生物学的特性

寿命: 6歳~8歳(雌が長寿)
成熟開始年齢: 1歳(50%)、2歳(100%)
産卵期・産卵場: 5月~6月、播磨灘、備讃瀬戸、燧灘、安芸灘
食性: 稚魚はカタクチイワシ等の稚魚、成魚はカタクチイワシ、イカナゴ等魚類
捕食者: 不明

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

春季に瀬戸内海へ来遊する1歳魚以上を、秋季に瀬戸内海から紀伊水道と豊後水道域に移動する0歳魚以上を漁獲する。 流し網での漁獲が最も多く、2019年は漁獲量の59%を占めた。 また、ひき縄およびはえ縄での漁獲は12%を占め、その他の漁法による漁獲は25%を占めた。 1998年から播磨灘と備讃瀬戸で秋漁の自主休漁が開始され、2002年から流し網の目合制限と休漁期設定を主体とする規制を実施している。 本種は栽培対象種で、2019年は4.5万尾の人工種苗が放流された。 2021年以降は種苗放流の予定がない。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

1968年から網揚げの機械化が普及し、流し刺網の隻数増加と秋の0歳魚漁の一般化が進んだ。 このような漁獲圧の増加により、1970年代後半から漁獲量の増加が続いた。 漁獲量は1976年まで1,000トン~2,000トン、1977年~1984年は3,000トン~4,000トンで推移し、1985年~1987年は6,000トン前後にまで達したが、その後急減し1998年には199トンの最低値となった。 その後は増加に転じ、2002年以降は1,000トンを超えている。 2019年の漁獲量は2,358トンであった。

▲このページのTOPへ

資源評価法

1987年以降の年齢別漁獲尾数を基に、主要漁業である流し網、ひき縄およびはえ縄の操業隻日数当たり漁獲尾数を指標とするチューニングコホート解析により資源尾数を推定した。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源量は1987年の1.6万トンから急激に減少し、1998年は688トンとなった。 その後、増加傾向に転じ、2019年は8,165トンとなった。 親魚量、加入量も同様の経過をたどったが、2019年の加入量は2018年の262.7万尾から大きく減少し、48.5万尾であった。 高い再生産成功率の時に高い加入量が期待できる親魚量4,169トンをBlimitとした。 2019年の親魚量は5,203トンであり、Blimitを上回っているが、現状の漁獲が継続された場合、2021年以降、親魚量はBlimitを下回ると予測される。 資源量の最高と最低を3等分し、1.1万トンを高位と中位、5,700トンを中位と低位の境界とした。 2019年の資源水準は中位、動向は直近5年間(2015年~2019年)の資源量の推移から増加と判断した。

▲このページのTOPへ

管理方策

親魚量は2019年にBlimitを上回っているものの、今後減少すると推定される。 2026年に親魚量がBlimitを上回ることを管理目標とし、Fmsyの代替値としてFcurrentを基準に漁獲係数(F)を探索し、2021年ABCを算定した。 年齢組成が1、2歳魚の若齢に偏っているため、加入量が少ない年が続くと資源量が減少する可能性が高いので、現状の漁獲実態から、若齢を獲り残し3歳魚以上の割合を上昇させる方針へ移行していくことが望ましい。 2019年の混入率は0%、添加効率は0であった。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値から
の増減%)
0.85Fcurrent Target 1,337 24 0.43
(-32%)
Limit 1,571 29 0.54
(-15%)

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ

執筆者:片町太輔・山本圭介

資源評価は毎年更新されます。