令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ウマヅラハギ 魚種写真
学名 Thamnaconus modestus
系群名 日本海・東シナ海系群
担当水研 水産資源研究所

生物学的特性

寿命: 10歳
成熟開始年齢: 筑前海で雌雄ともに1歳、新潟県沿岸の雌で1歳、東シナ海の雌で2歳
産卵期・産卵場: 東シナ海域では4月~6月、日本沿岸では5月~7月
食性: カイアシ類、貝類、エビ・カニ類、魚類、ヨコエビ類、ウニ類、ヒトデ類、ヒドロ虫類、鉢クラゲ類、石灰藻を含む紅藻類および珪藻類
捕食者: 魚類、頭足類等

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漁業の特徴

本種は北海道以南の我が国沿岸、東シナ海、黄海などに広く分布している。 我が国の漁業の主体は定置網漁業(定置)で、刺網漁業や底びき網漁業でも漁獲されている。 近年、大中型まき網漁業(大中まき)や沖合底びき網漁業でも、本種を対象とした操業が行われるようになっている。 本系群の分布の主体がある東シナ海では、中国と韓国が主に漁獲している。

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漁獲の動向

漁獲統計が整備されていないため、各府県における水揚げ量(各府県漁獲量)および大中まきによる水揚げ量を集計し、本種の漁獲量とした。 2019年の漁獲量は2,800トンであった。 このうち各府県漁獲量は2010年以降概ね4,000トン前後で推移していたが、2019年は過去最低の1,800トンであった。 大中まきの2019年の水揚げ量は1,000トンであった。

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資源評価法

我が国においてはウマヅラハギの長期的な漁獲量データが得られていないため、長期的なデータが得られている中国・韓国のカワハギ類の漁獲量から、本系群の資源水準を判断した。 現在の我が国の漁獲の主体が定置によるものであること、また定置が積極的に本種を狙って操業する漁業ではないことから、定置の単位努力量あたり漁獲量(CPUE)を資源量指標値とした。 資源動向の判断には石川県における定置のCPUEを標準化して用いた。

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資源状態

中国と韓国のカワハギ類の漁獲量は1986年にはそれぞれ43万トン、33万トンであったが、その後減少し、中国では1992年以降20万トン前後で推移している。 韓国では1990年に23万トンを示した後、低い水準となった。 両国の合計漁獲量は、1992年以降は11万~29万トンと低水準で推移していることから、分布の主体がある東シナ海における資源水準は低位にあると考えられるため、本系群の資源水準を低位と判断した。 資源量指標値の最近5年間(2015年~2019年)の動向から、資源動向を横ばいと判断した。

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管理方策

現状より漁獲を抑制して我が国近海における資源を回復させることを管理目標とした。 漁獲量を減じた上で資源量指標値の変動傾向に合わせて漁獲することを管理基準としてABCを算定した。 本種は沿岸性の魚種と考えられ、我が国周辺海域に来遊した資源の管理および我が国周辺海域で再生産を行う産卵親魚の増大を図るためには、漁獲圧を削減することが求められる。 本系群の漁獲はほとんどが中国・韓国によるものであり、資源全体の評価および管理にあたっては関係各国の協力が不可欠である。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値
からの増減%)
0.7・Cave3-yr・0.73 Target 18
Limit 22

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:酒井 猛・川内陽平・青沼佳方

資源評価は毎年更新されます。