令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 ベニズワイガニ 魚種写真
学名 Chionoecetes japonicus
系群名 日本海系群
担当水研 水産資源研究所

生物学的特性

寿命: 10年以上
成熟開始年齢: 雌は10齢期または11齢期への脱皮が成熟脱皮(飼育実験下)、雄は不明
産卵期・産卵場: 主産卵期は2月~4月、隔年で産卵し抱卵期間は約2年
食性: イカ類の他、エビ類、カニ類(共食い含む)、ヨコエビ類などの甲殻類、微小貝類、小型魚類など
捕食者: 稚ガニはアゴゲンゲ、ベニズワイガニ(共食い)、大型個体は共食いに加えてドブカスベ、ツチクジラなど

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

かご網で漁獲される。 青森県~兵庫県の地先における知事許可漁業と、東経134度以西の兵庫県~島根県の地先と大和堆・新隠岐堆などの沖合漁場における大臣許可漁業がある。 農林水産省令により、甲幅90mm以下の雄と全ての雌が禁漁とされている。 大臣許可漁業では、2007年9月より鳥取県境港の水揚げ船を対象に、2010年9月からは兵庫県船を加えた全船に個別割当制による漁獲量の上限が設定されている。 大臣許可水域の大半と知事許可水域の一部は日韓暫定水域と重なり、韓国船と競合する漁場である。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

我が国EEZ内(大臣許可水域および知事許可水域の合計)における漁獲量は、漁獲努力量の増大により、1984年に4.41万トンまで増加したが、2003年には1.21万トンまで減少した。 その後やや回復し、2006年以降は1.51万トン~1.69万トンで安定していたが、2015年以降は減少し、2019年は1978年以降における最低値の1.10万トン(暫定値)であった。 なお、2019年の水域別漁獲量(暫定値)は、大臣許可水域で4,728トン、知事許可水域で6,255トンであった。 2019年の韓国の漁獲量については、韓国EEZおよび日韓暫定水域の合計で1.59万トンと前年の78%に減少した。

▲このページのTOPへ

資源評価法

1978年~2019年のべにずわいがに漁獲成績報告書から求めた、大臣許可水域および知事許可水域における資源量指数を資源量指標値として、各水域における資源水準および資源動向を判断した。 加えて、両水域の資源量指数の合計から、本系群全体の資源水準および資源動向を判断した。 なお、韓国による漁獲については必要な情報が得られていないことから、本評価では考慮していない。

▲このページのTOPへ

資源状態

系群全体の資源量指数は約15年周期で増減しており、1982年に過去最高となった後1990年まで減少、1990年代後半に再び増加したが再び減少し2002年に過去最低となった。 その後増加に転じたが、2011年以降は減少している。 水域別でも周期的な増減が認められ、大臣許可水域では2016年以降大きく減少している。 知事許可水域では変動幅が小さいものの、2003年以降は緩やかな増加傾向にあり、2018年に最高値となったが、2019年はわずかに減少した。 資源量指数の最高値と最低値を3等分して上から高位・中位・低位とし、大臣許可水域は低位、知事許可水域は高位、全体としては低位と判断した。 動向は直近5年間(2015年~2019年)の資源量指数の推移から、大臣許可水域は減少、知事許可水域は増加、系群全体では減少と判断した。 2015年以降漁獲加入の少ない年が続き、系群全体として低位に転じた。

▲このページのTOPへ

管理方策

大臣許可水域、知事許可水域ともに資源量指標値の水準及び変動傾向に合わせた漁獲を行うことを管理目標として、各水域で2021年ABCを算定し、合計した。 なお、大臣許可水域では2007年より個別割当制度の導入により上限漁獲量が規定されていることから、漁獲量の代わりに前年のABClimitを用いてABCを算定した。 漁獲加入以前の資源豊度は漁業から予見できず、調査船調査による加入動向の把握が不可欠である。 加入動向に応じて計画的に資源を取り残し、漁獲加入が少ない時期にわたって利用する方策は本種では特に有効である。 また、日韓が相互に自国の漁業情報を開示し、協力して資源の管理にあたる必要がある。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.8・大臣許可ABClimit2020・0.80
1.0・知事許可Cave3-yr・1.01
Target 82
Limit 102

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ

執筆者:吉川 茜・佐久間啓・藤原邦浩・山本岳男

資源評価は毎年更新されます。