令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ヤリイカ 魚種写真
学名 Heterololigo bleekeri
系群名 対馬暖流系群
担当水研 水産資源研究所

生物学的特性

寿命: 1年
成熟開始年齢: 約1歳
産卵期・産卵場: 1月~5月(盛期は2月~3月、青森県~山口県)、5月~7月(北海道)、山口県から北海道宗谷地方にかけての日本海沿岸
食性: 外套背長50mmまでは主にカイアシ類、60mm~150mmではオキアミ類およびアミ類等の浮遊性甲殻類、170mm前後からは小型魚類
捕食者: 海産ほ乳類、大型魚類

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漁業の特徴

沿岸から沖合にかけて広範囲に分布し、北部海域(北海道~石川県、以下、北部)の日本海側では主に定置網漁業、太平洋側では底びき網漁業で漁獲される。 西部海域(福井県~山口県、以下、西部)では、各種底びき網漁業、いか釣り漁業、定置網漁業で漁獲される。 主に産卵群を対象とし、盛漁期は10月~3月である。 本系群は海域によって資源の変動が異なり、西部の漁獲量は1990年以降の減少が著しい。

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漁獲の動向

2019年の総漁獲量は2018年を下回り1,700トンであった。 漁獲量の変動は海域により異なる。 北部の漁獲量は1990年~2007年は4,000トン前後、2009年以降は2,000トン前後であった。 2019年は1,442トンで、2018年を下回った。 西部の漁獲量は1990年の2,460トンから減少し、1995年以降1,000トン以下であった。 2019年は2018年と同程度の258トンであった。

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資源評価法

北部・西部で漁業の状況と資源の変動が異なるため、海域別に評価した。 北部の資源量指標値として、青森県日本海側の底建網漁業(底建)の経営体数当たりの漁獲量(CPUE)ならびに青森県太平洋側の沖合底びき網漁業(太平洋沖底)の資源密度指数の幾何平均値を用い、水準・動向を判断した。 西部では長期にわたり利用可能な2そうびき沖合底びき網漁業(西部2そうびき)の資源密度指数を資源量指標値として、水準・動向を判断した。

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資源状態

北部・西部の海域別に資源量指標値の最大値と最小値の間を3等分し、上から高位、中位、低位とした。 2019年の底建のCPUEおよび太平洋沖底の資源密度指数は共に2018年を下回り、その結果、北部の資源量指標値は減少した。 2019年の北部の資源量指標値は234であり低位と判断した。 資源量指標値の直近5年間(2015年~2019年)の推移から動向は横ばいと判断した。 2019年における西部の資源密度指数は7kg/網であり低位と判断した。 資源密度指数の直近5年間(2015年~2019年)の推移から動向は横ばいと判断した。 両海域共に低位、横ばいであったことから、系群全体の水準は低位、動向は横ばいと判断した。 北部の資源量指標値の年変動が大きく、中位と低位の境界上で推移しているため、今年度は低位になった。

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管理方策

海域別の資源水準・動向に合わせた漁獲を管理方策として、北部海域および西部海域それぞれABCの算定を行い、合算して系群全体のABCとした。 本系群の資源変動には環境の影響が大きく、西部海域の資源量の減少には海洋環境の変化(水温の上昇)が関連していることが指摘されている。 適切な資源管理の下、情報を収集・整理し環境が好転するまで親魚量を確保することが重要である。 また、本系群は単年性で、主漁期は冬季にある。 漁期年単位で集計し資源評価を行うことで、より資源状況に即した評価となる事が期待される。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値
からの増減%)
0.7・北部Cave3-yr・0.94
0.7・西部Cave3-yr・0.93
Target 12
Limit 15

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:松倉隆一・久保田洋・宮原寿恵

資源評価は毎年更新されます。