平成25年度資源評価票(ダイジェスト版)

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標準和名 カタクチイワシ 魚種写真
学名 Engraulis japonicus
系群名 太平洋系群
担当水研 中央水産研究所

生物学的特性

寿命: 4歳
成熟開始年齢: 1歳(100%)
産卵期・産卵場: 冬季を除くほぼ周年で4~7月が盛期、沿岸~沖合の広い海域
索餌期・索餌場: 周年、九州~北海道の太平洋沿岸、黒潮域、黒潮続流域、黒潮親潮移行域、親潮域、東は経度170度付近の海域まで
食性: 動物プランクトン等
捕食者: 中大型の浮魚類、鯨類

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漁業の特徴

常磐以南でシラス船曳網等により春から秋までシラスとして漁獲される。未成魚・成魚の漁場の中心は常磐~房総の沿岸で、まき網による漁獲が多く、沿岸の定置網等でも漁獲される。常磐・房総の大中型まき網の漁期は12~6月である。資源量が多い年には9~11月に道東から三陸、1~5月に熊野灘や日向灘でも多獲される。黒潮・親潮移行域に分布する魚群はほとんど漁獲対象となっていない。

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漁獲の動向

1989年まで数万トンで推移していたが、1990年に太平洋北区で急増し20万トンを超えた。その後の漁獲量は、年変動が激しいものの概ね増加傾向であり、2003年には過去最高の41万トンとなった。漁獲量はその後減少し、2007~2010年で21万~25万トン、2011年で16万トン、2012年で15万トンとなった。

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資源評価法

年齢別漁獲尾数に基づくコホート解析により資源量を推定した。コホート解析の際には、常磐房総海域の漁獲動向や秋季浮魚資源調査CPUEを参照し、大中型1そうまき漁業の努力量の削減を考慮して2012年のFを引き下げた。本資源は高水準期には分布が漁場外の沖合に拡大するため、漁場域より広範囲で行われている産卵調査結果を基に卵数法により推定した親魚量も、資源量水準判断の参考とした。

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資源状態

卵数法での推定親魚量は2012年で111万トンとなり、前年の85万トンを上回った。コホート解析による推定資源量は2003年までは変動が大きいながらも増加傾向であったが、2003年の149万トンをピークに減少傾向となり、2007~2010年で71万~82万トン、2012年で56万トンと推定された。なお、2011年まで行われた沖合域の計量魚探調査(調査は2011年で終了)から、2003年以降沖合域の分布量の顕著な減少が示されている。

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管理方策

現在の親魚量は再生産関係から見て良好な加入を期待しにくくなる親魚量の閾値(Blimit: 13万トン)より高く、再生産関係が利用可能であることから、管理基準として「平成25年度ABC算定のための基本規則」の1-1)-(1)を用いた。漁獲の主対象となる1歳魚の漁獲係数を管理指標値とした。再生産関係における中央値に相当する漁獲係数Fmedで現状の資源量を維持できると考え、Flimit=Fmedの時の漁獲量をABClimit、Ftarget=Flimit×0.8の時の漁獲量をABCtargetとした。
  2014年漁獲量 管理基準 F値 漁獲割合
ABClimit 158千トン Fmed 0.99 27%
ABCtarget 138千トン 0.8Fmed 0.79 24%
  • F値は漁獲の主対象群となる1歳魚の漁獲係数
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    資源評価のまとめ

  • 本系群の資源水準は中位、動向は減少であり、親魚量はBlimitより高い
  • 漁場外の分布量は2003年以降減少していることに留意する必要がある
  • 管理方策のまとめ

  • 現状の漁獲圧(2007~2011年平均を引き下げたF=0.90)はFmed(F=0.99)より低い
  • 現状の漁獲で資源は緩やかに増加する
  • シラス漁獲量と0歳魚資源尾数の間に有意な相関関係は認められない
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    執筆者:渡邊千夏子・水戸啓一・岡村 寛・市野川桃子・川端 淳・本田 聡

    資源評価は毎年更新されます。