平成27年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ズワイガニ 魚種写真
学名 Chionoecetes opilio
系群名 北海道西部系群
担当水研 北海道区水産研究所

生物学的特性

寿命: 不明
成熟開始年齢: 不明
産卵期・産卵場: 不明(本海域内で産卵している可能性が高い)
索餌期・索餌場: 不明、漁場は水深400m前後の海域
食性: 成体は主に甲殻類や二枚貝、クモヒトデ、この他に魚類、イカ、ゴカイ、巻貝など
捕食者: マダラ

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漁業の特徴

本資源は、主にずわいがにかご漁業で漁獲されている。現在、小樽および稚内を根拠地とする3隻が、ずわいがにかご漁業とべにずわいがにかご漁業の知事許可を得ている。この3隻の操業海域は異なっており、小樽根拠の1隻は積丹海山とその北の忍路海山を、別の1隻は忍路海山と武蔵堆を、稚内根拠船は武蔵堆をそれぞれ漁場としている。ずわいがにかご漁業とべにずわいがにかご漁業の操業期間は、それぞれ11月1日~翌年4月30日、7月1日~翌年4月30日である。甲幅10cm(農林水産省令は9cm)以上の雄のみの漁獲が認められている。

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漁獲の動向

漁獲量は、1986年漁期(7月~翌年6月)は80トンを超えていたが、1987年漁期以降は減少して20~40トンで推移しており、2014年漁期は26トンであった。2009~2014年漁期の漁獲量は1986年漁期以降で最低レベルであるが、これは漁獲努力量が減少したことによるものである。

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資源評価法

漁場により操業形態が異なることから、各漁場のCPUEを個別に算出した。漁獲努力量(カゴ数)が海況の影響を強く受けるため、中長期的なCPUEの変動を総合的に見て本資源の資源状態を判断した。

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資源状態

CPUEの中長期的な挙動を見ると、全漁場を合わせたCPUE(全体CPUE)、漁場別のCPUEともに、現在の操業形態となった1997年以降に上昇し、近年は比較的高い水準にあると判断される。2014年漁期の資源水準は、各漁場におけるCPUEで見ると、武蔵堆と積丹海山で高位、忍路海山では中位である。直近5年間(2010~2014年)のCPUEの推移を見ると、全体のCPUEも漁場別のCPUEも横ばい~増加傾向にあるものと判断される。いずれのCPUEも海況や単価により努力量が影響を受けており、資源量指標値としては不確実性が残るが、これらを総合的に見て、本資源の水準は高位、動向は増加と判断した。

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管理方策

1997年漁期以降、漁獲量は19~43トンで安定しており、近年の資源状態も比較的高い水準に維持されていることから、現状の漁業はズワイガニ資源を持続的に利用していると判断される。知事管理の下で許可隻数が制限されており、今後も極端に漁獲努力が増加するとは考えにくいことから、近年の漁獲を継続することで資源は維持できると考えられる。今後も現状の漁獲量を維持することで、資源は持続的に利用可能であると判断される。
漁獲シナリオ
(管理基準)
Limit/
Target
F値
(Fcurrentとの
比較)
漁獲割合
(%)
将来漁獲量
(トン)
確率評価
(%)
2016年
漁期ABC
(トン)
   
1997年
漁期以降の
最大漁獲量
(C1997)
Limit 43
Target 34
定義
  • Limitは、漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの漁獲量
  • Targetは、資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し、漁獲シナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される漁獲量である。ABCtarget = α ABClimitとし、係数αには標準値0.8を用いた
  • 2016年漁期は2016年7月~2017年6月
コメント
  • 本系群については、既存の情報からは資源量の算定が困難なことから、漁獲係数、漁獲割合、将来漁獲量の算定、定量的な評価は行っていない
  • CPUEが増加しており、資源は増加傾向にあると推測される
  • ずわいがにかご漁業許可に際していくつかの制限があり、このことが漁獲努力量および漁獲量の制限に機能している
  • 1997年漁期以降の最大漁獲量である43トン以下の漁獲量であれば、資源は維持可能と判断し、これをABCとして設定した
  • 漁業規模が小さく、調査情報もほとんどないことから、ABCに高い信頼性を確保することは困難である
  • 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第3に記載されている本系群の中期的管理方針では、「資源の維持若しくは増大を基本方向として、安定的な漁獲量を維持できるよう、管理を行うものとする。」とされており、漁獲量を維持することで、資源を持続的に利用可能であると考えられる

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:濱津友紀・山下紀生・山下夕帆・船本鉄一郎

資源評価は毎年更新されます。