平成27年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 カタクチイワシ 魚種写真
学名 Engraulis japonicus
系群名 瀬戸内海系群
担当水研 瀬戸内海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 2歳
成熟開始年齢: 5カ月(55%)、6カ月(80%)、7カ月(95%)、8カ月(100%)
産卵期・産卵場: ほぼ周年(主に5~10月)、薩南海域~紀伊水道外域、瀬戸内海のほぼ全域
索餌期・索餌場: 周年、薩南海域~紀伊水道外域、瀬戸内海の全域
食性: カイアシ類などの小型甲殻類
捕食者: サワラ、スズキ、サバ類、タチウオなどの魚食性魚類

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

主に中型まき網、船びき網によって漁獲される。瀬戸内海では小規模な漁業が大多数を占めているが、本資源の漁業への投資規模は大きい部類に入る。シラス~成魚が漁獲の対象となり、特にシラスを対象とした漁業が発達している。漁場は紀伊水道~伊予灘の各海域に形成される。操業期間は外海に近い海域でほぼ周年、瀬戸内海中央部で春~秋である。海域によっては加工に不向きな脂イワシの出現や不漁のために休漁する場合がある。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

1985年にカタクチイワシが10.0万トン、シラスが5.0万トン漁獲されたが、その後減少し、1990年代後半はいずれも2.0万トン前後で推移した。1999年から増加し、2014年はそれぞれ4.2万トン、2.6万トンであった。1980年代にカタクチイワシの漁獲量が減少する一方で、シラスの漁獲量は増加し、1980年代後半以降はカタクチイワシとシラスの漁獲量は同程度となっている。

▲このページのTOPへ

資源評価法

1981年以降の月別月齢別漁獲尾数をもとに、Popeの近似式を用いたコホート解析により資源量を推定した。1~9月齢の最近月の漁獲係数は各月齢の過去10年間の12月の平均値、最高月齢(10月齢以上)の漁獲係数は9月齢と同じ値とした。また、船びき網漁業の代表漁協と標本船のCPUEから加入動向、卵稚仔調査結果から産卵量を推定した。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源量は1985年に42.4万トンで最大となった後、1997年には10.0万トンまで減少した。その後資源量は増加し、2014年は28.3万トンであった。再生産関係からBlimitを親魚量3.1万トンとした。2014年の親魚量6.4万トンでBlimitを上回っている。年間産卵量は1980年以降、185兆~1,146兆粒で推移し、2014年は1,103兆粒であった。資源水準の低位と中位の境界をBlimit、中位と高位の境界をBlimit と最大親魚量の中間とした。資源水準は中位で、過去5年間(2010~2014年)の親魚量の推移から動向は横ばいと判断した。

▲このページのTOPへ

管理方策

資源は比較的安定しており、2014年の親魚量はBlimitを上回っていることから、2014年の資源水準を維持することを管理目標とし、0.9Fcurrentを管理基準としてABC算定のための基本規則1-1)-(1)に基づき2016年のABCを算定した。2015年以降の加入量は再生産成功率が過去10年間(2005~2014年)の中央値で推移すると仮定した。
管理基準 Limit/Target F値 漁獲割合
(%)
2016年ABC
(千トン)
0.9Fcurrent Limit 1.10 29 61
Target 0.88 25 56

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ


執筆者:河野悌昌・高橋正知

資源評価は毎年更新されます。