気象の変化とマイワシの漁獲量との関係

冬季の海水温の変動と気象要因の変動には相関関係が指摘されています。気象要因の代表的なものとして、北太平洋に形成されるアリューシャン低気圧の強さの指数(ALPI)やイルクーツクと根室の気圧差の指数(MOI)などがあります。ALPIやMOIの長期的な偏差をみると、いずれも正の偏差(季節風が強く厳しい冬の時)にマイワシの漁獲量が増えている場合が多いことが分かりました。

冬季のALPIやMOIが正の偏差をすることで、海水温が低下します。海水温が低下することは、表面の水がより深く混合し、深い水深帯にある栄養塩類を表層に供給することにより、マイワシの成長に影響するプランクトンの発生量が多くなると考えられます。