魚の年令や寿命はどうしてはかるのですか?
 魚の年令や寿命を知るためにはいくつかの方法があります。まず、魚の大きさを測り、その頻度分布図を作成するといくつかの山が見られます。この山がそれぞれ年令に相当すれば、魚の年令と寿命を知ることができます。たくさんの魚の測定ができない時には鱗や頭にある耳石という骨を調べて年令を知ることができます。鱗や耳石には木の年輪のようなもようがあり、その本数を数えることで、魚の年令を知ることができます。

海の中の資源をどうやってはかるのですか?
 海の中にいる魚の数を数えることは大変です。でも漁業そのものがたくさんの情報を持っています。いつ、どこで、どれだけの漁具を使って、どのようなサイズの魚が、どれだけ漁獲されたのか、これらの情報を漁船から直接、また水揚げ地の魚市場で収集しています。これらの情報をもとに海の中にいる魚の相対的な尾数を推定したり、さらに工夫して絶対的な尾数を推定したりします。また調査船による試験操業や魚群探知機を用いて魚の尾数を直接推定する調査も行っています。魚種や海域などそれぞれの条件に合わせて、いろいろな方法を用いて、より正確な魚の尾数の推定を目指しています。

魚はどこで生まれたかどうしてわかるのですか?
 私達が海外旅行するときパスポートを持って行きます。魚もいろいろなパスポートを持っています。例えば、魚の鱗や頭にある耳石という骨には生まれ育った場所の水温や餌などの影響により特徴あるが記録されます。スケトウダラ幼魚の耳石に毎日形成されるリングの本数から生まれた日を求め、どこで生まれたかを推定しています。またサケでは日本やロシアの河川に帰ってきた親の鱗に見られる特徴を利用して、回遊しているサケが日本生まれか、ロシア生まれかを知ることができます。

TAC対象種の7種はどうやってきめたのですか。
 現在、スケトウダラ、マアジ、マイワシ、マサバ、ゴマサバ、スルメイカ、ズワイガニの7種類がTAC対象種です。この77種は、
(1)漁獲量が多いなど国民の皆さんの生活でも大切なこと
(2)資源の状態が良くないのですぐに管理することが必要なこと
(3)日本の周辺で外国の漁船にも漁獲されていること
のどれかに当てはまっています。「おさかな天国」の歌に登場する魚もあるように、皆さんに親しまれている魚種です。うまく管理していつまでも利用できるようにすることが大切です。

とる魚の数を制限して漁師の人たちは困らないの?
 資源をいつまでも利用したり、資源を回復させるためには漁師さんのご理解とご協力が欠かせません。昨年、長年の獲り過ぎなどで資源状態が悪くなっている魚種について資源を回復させるため,資源回復計画制度がスタートしました。ある資源を望ましい水準に一定の年限で回復させるという目標を立てて,国や都道府県や漁師さんが一体となって漁業活動の制限などに計画的に取り組んでいくものです。このように漁師さん自らが漁業活動を制限して,資源を上手に利用していこうという取り組みが広まってきています。