平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 キアンコウ 魚種写真
学名 Lophius litulon
系群名 太平洋北部
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 不明
成熟開始年齢: 不明
産卵期・産卵場: 4~6月(津軽海峡東部沿岸)、5~7月(仙台湾周辺)、4~8月(福島県中部海域)
食性: 福島県沖では、小型個体は小型魚類や甲殻類、成長につれカレイ類、タラ類、イカナゴ、ギンアナゴ、カタクチイワシなど
捕食者: ミズウオ

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漁業の特徴

太平洋北部海域では沖合底びき網漁業(沖底)、小型底びき網漁業(小底)を主体として漁獲されている。 また、底刺網漁業や定置網漁業でも漁獲されている。 全体の漁獲量の内訳をみると、沖底の割合が最も高く、2017年は沖底、小底、その他漁業種(刺網、定置網など)の割合はそれぞれ57%、18%、25%であった。 尻屋崎~襟裳西海区および金華山~房総海区が主漁場である。 価格が安い産卵期に産卵親魚が多く漁獲されている。

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漁獲の動向

金華山~房総海区では2011年に起きた東日本大震災(震災)以降、努力量が大きく減少した。 震災以降漁獲量が減少したが、操業休止の影響で努力量が減少したことも大きい。 福島県では2012年は漁獲量がなかったが、翌年に試験操業の対象となってから漁獲量は徐々に回復している。 2017年の合計漁獲量は震災以降における最高値である1,119トンとなった。 漁獲量の県別内訳は、2017年は青森県310トン、岩手県39トン、宮城県500トン、福島県163トン、茨城県108トンであった。

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資源評価法

水準と動向は尻屋崎~襟裳西海区と金華山~房総海区でそれぞれ海区別に判断した。 両海区ともに沖底の単位努力量あたり漁獲量(CPUE)を資源量指標値とした。 尻屋崎~襟裳西海区は尻屋崎海区と襟裳西海区のかけまわしの漁獲量および努力量を合計して求めた1973~2017年のCPUEを指標値とした。 金華山~房総海区は金華山、常磐および房総海区のオッタートロールの漁獲量および努力量を合計して求めた同期間のCPUEを指標値として用いた。

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資源状態

今年度よりCPUE平均値よりも30%以上多い場合を高位水準、30%以上少ない場合を低位水準とした。 尻屋崎~襟裳西海区の2017年のCPUEは平均値の104%であるため水準は中位、直近5年間(2013~2017年)の推移から動向は増加と判断した。 金華山~房総海区の2017年のCPUEは平均値の319%であるため水準は高位、直近5年間(2013~2017年)の推移から、動向は増加と判断した。 CPUE平均値を用いた水準判断の導入に伴い、尻屋崎~襟裳西海区では中位水準となったこと、金華山~房総海区ではCPUEが過去最高値を更新して高位水準となったことから、太平洋北部全体の資源水準は高位と判断した。 また、両海区とも動向は増加であることから、太平洋北部全体の動向は増加と判断した。

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管理方策

資源水準に合わせた漁獲を管理目標とし、2つの海域ごとのABCを算定し、合算して2019年ABCを求めた。 全体としては高位水準であると判断したが、価格が安い産卵期に多くの産卵親魚を漁獲していることから、これらの漁獲を削減し、価格の高い冬季に漁獲することで、産卵親魚の保護と資源の有効利用を図ることを提案する。 また、金華山~房総海区は震災後の努力量減少による資源量増加が示唆されており、努力量を適切な水準に維持することで、高い資源水準を保ちつつも、震災前より高い漁獲量を達成する可能性がある。
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.9・尻屋崎~襟裳西海区Ct・1.27
1.0・金華山~房総海区Ct・1.34
Target 1,410
Limit 1,760

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:時岡 駿・成松庸二・柴田泰宙・鈴木勇人・森川英祐・永尾次郎

資源評価は毎年更新されます。