平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 キンメダイ 魚種写真
学名 Beryx splendens
系群名 太平洋系群
担当水研 中央水産研究所

生物学的特性

寿命: 26歳以上
成熟開始年齢: 4歳(50%)、5歳(100%)
産卵期・産卵場: 6~10月で盛期は7~8月、関東沿岸、伊豆諸島周辺海域、四国沖、南西諸島周辺海域、小笠原周辺の広範囲
食性: ハダカイワシ類などの中深層性魚類、イカ類、エビ類、オキアミ類など
捕食者: サメ類、イルカ類

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漁業の特徴

キンメダイは陸棚斜面や海山や海丘の斜面や頂上に多く分布し、房総半島から南西諸島に至る太平洋岸、伊豆諸島、沖合の海山周辺に漁場が点在する。 主に立て縄、底立てはえ縄、樽流しといった釣漁業で漁獲されている。 主に自由漁業、知事許可漁業で、わずかに大臣許可漁業(沖合底びき網など)で漁獲される。

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漁獲の動向

自由漁業、知事許可漁業については千葉県~鹿児島県の主要港の水揚量、大臣許可漁業については海区別の統計値、主要港の水揚量を集計し漁獲量を把握した。 2017年の漁獲量は5,351トンであった。このうち関東沿岸から伊豆諸島周辺海域(千葉県、東京都、神奈川県、静岡県(一都三県))は我が国最大の漁場で、漁獲量は4,280トンであった。 都県別に見ると増加、横ばい、減少などまちまちであるが、全体としては増減を繰り返すものの、長期的にみると2010年以降は低い水準にある。

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資源評価法

我が国最大の漁場であり、漁業と生物情報が長期間蓄積されている、一都三県のデータを用いて資源評価を実施した。 1998年以降に集計された1~15+歳までの年齢別漁獲尾数に基づいて東京湾口部の小型魚銘柄のCPUE(1~3歳の指標値)、東京湾口部以外の海域のCPUE(4歳以上の指標値)を用いてチューニングをしたコホート解析により年齢別資源尾数、資源量、漁獲係数を計算した。 自然死亡係数は、寿命との経験的な関係から0.1とした。

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資源状態

資源量、親魚量は2000年代前半以降減少傾向で、2017年はそれぞれ2.8万トン、1.7万トンと推定された。 加入尾数は2000年以降減少傾向であったが、2014年前後に高い値となった。 再生産成功率は0.27~0.81(尾/kg)で推移し、2013年以降高い値で推移し、2016年は0.65であった。 水準は一都三県の過去42年間の漁獲量の推移を用い、最高漁獲量と最低漁獲量を3等分し判断し、7,550トンを高位と中位の境、4,828トンを中位と低位の境とした。 当該海域における2017年の漁獲量は4,280トンであることから資源水準は低位、動向は直近5年間(2013~2017年)の親魚量の推移から減少と判断した。

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管理方策

資源状態が低位・減少であることから、減少傾向にある親魚量を増加に転じさせることを管理目標とし、必要な削減率を現状の漁獲圧に乗じた0.7Fcurrentを管理基準として2019年ABCを算出した。 本種は主漁獲年齢が5~10歳であり、成熟も4歳以降であることから漁獲係数を大幅に削減しても5年程度では漁獲量の大幅な回復は見込めず、資源管理には長期的な視点が必要である。 また、寿命が長く広範な年齢群を漁獲していることから、卓越年級群の保護策も長期間にわたり漁獲量水準を維持、増大するために有効な管理方策である。
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの
増減%)
0.7Fcurrent Target 29 10 0.13
(-44%)
Limit 35 12 0.16
(-30%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:亘 真吾・渡井幹雄

資源評価は毎年更新されます。