平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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マチ類 魚種写真
アオダイ Paracaesio caerulea
ハマダイ Etelis coruscans
ヒメダイ Pristipomoides sieboldii
オオヒメ Pristipomoides filamentosus
系群名(海域) (奄美諸島・沖縄諸島・先島諸島)
担当水研 西海区水産研究所

生物学的特性

寿命: アオダイは58歳、ハマダイは55歳、ヒメダイは38歳、オオヒメは25歳以上
成熟開始年齢: アオダイ2歳(一部)、4歳(50%)、ハマダイ6歳(一部)、8歳(50%)、ヒメダイ1歳(50%)、オオヒメ2歳(50%)
産卵期・産卵場: アオダイ:4~9月、ハマダイ:5~11月 、ヒメダイ・オオヒメ:3~10月
食性: アオダイは大型動物プランクトン、ハマダイはイカ類、魚類、ヒメダイとオオヒメは魚類、ヒカリボヤ類、浮遊性甲殻類、イカ類
捕食者: マハタ、カンパチ、サメ類など

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漁業の特徴

鹿児島県、沖縄県近海の水深100m以深で操業する深海一本釣漁業や底建はえ縄漁業により漁獲される。 周年操業する一本釣専業者が主体であるが、ソデイカ漁などと兼業する漁業者もいる。 1航海あたりの操業日数は、5トン未満の小型船で1~3日、5トン以上の船で1週間程度である。

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漁獲の動向

鹿児島市中央卸売市場におけるマチ類4種の漁獲量および沖縄県におけるマチ類全体の漁獲量は、1980年代後半から1990年代にかけて急激に減少した。 魚種別・海域全体の漁獲統計は、アオダイおよびハマダイでは1999年以降に、ヒメダイとオオヒメでは2008年以降に鹿児島・沖縄両県で整備されたものが利用可能である。 アオダイの漁獲量は、2012年まで減少傾向で推移していたが、以降は300トン前後で推移し、2017年は316トンであった。 ハマダイでは2003年まで漸減したが、その後は増加に転じ、2017年は263トンであった。 ヒメダイでは減少が続いており、2017年は94トン、オオヒメも漸減し、2017年は74トンであった。

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資源評価法

資源水準の判断には、1960年以降58年間の漁獲統計がある鹿児島市中央卸売市場のデータを用いた。 なお、ヒメダイとオオヒメに関しては1989年まで両種が区別されていなかったため混合種群として水準を判断した。 資源動向の判断には、1989年からデータがある沖縄県八重山漁協所属船の1隻1航海あたりの漁獲量(CPUE)を資源量指標値として用いた。

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資源状態

資源量指標値は、アオダイでは2011年まで横ばい、以降2013年まで減少し、その後はわずかな増減を繰り返している。ハマダイでは2003年を境に減少から増加傾向に転じている。 ヒメダイでは2005年まで減少傾向であったが、その後2011年まで増加し、2013年まで再び減少して、2013年以降は横ばいで推移している。 オオヒメでは増減を繰り返しながら概ね横ばいで推移している。 水準の判断には、各種・種群の過去58年間の漁獲量の最高値と最低値を3等分し、上から高位・中位・低位とした。 いずれの種・種群とも資源水準を低位と判断した。 動向は直近5年間(2013~2017年)の資源量指標値の推移から、アオダイで横ばい、ハマダイで増加、ヒメダイで横ばい、オオヒメで横ばいと判断した。
アオダイ ハマダイ ヒメダイ オオヒメ

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管理方策

漁獲量と資源量指標値の推移を基に、その水準および変動傾向に合わせた漁獲を行うことを管理方策として、2019年ABCを算定した。 2010年より第2期資源回復計画が開始され、2012年からは広域資源管理方針となって、保護区を18区から24区に増やした。 また、漁獲体長制限による小型魚保護も導入され、海域全体での小型魚への漁獲圧削減措置が実施されている。 解禁された保護区での集中漁獲を避けるため、解禁時の保護区内への入域や1操業あたりの漁獲量制限を設ける等、保護区が一時的な管理方策にならないよう継続的な措置を講じていくことが望ましい。
                
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの
増減%)
アオダイ 0.7・Cave3-yr・1.20 Target 222
Limit 278
ハマダイ0.7・Cave3-yr・1.17Target 167
Limit 209
ヒメダイ0.7・Cave3-yr・0.99Target 58
Limit 73
オオヒメ 0.7・Cave3-yr・0.99 Target 41
Limit 51

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:下瀬 環・青沼佳方・林原 毅

資源評価は毎年更新されます。