平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 イカナゴ 魚種写真
学名 Ammodytes japonicus
系群名 瀬戸内海東部系群
担当水研 瀬戸内海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 3~4歳
成熟開始年齢: 1歳(100%)
産卵期・産卵場: 12~翌年1月、播磨灘北東部と備讃瀬戸
食性: 仔稚魚は小型のカイアシ類やその幼生、体長15mm以上の稚魚は毛顎類、枝角類、幼魚や成魚はカイアシ類、珪藻、カニ・エビ幼生、端脚類、尾虫類、イカナゴ仔稚魚
捕食者: 仔稚魚は多様な浮魚類や毛顎類、幼魚や成魚はスズキ、サワラ、ヒラメ、ブリ等

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漁業の特徴

本資源の漁獲はシンコ(0歳魚)とフルセ(1歳魚以上)を対象にしている。 和歌山県、徳島県、大阪府、兵庫県、岡山県では主に機船船びき網、香川県では主に込網で漁獲される。 兵庫県の漁獲が大半を占め、フルセ漁が1月末~2月上旬から4月上旬頃まで、シンコ漁は2月末~3月上旬から4月下旬頃まで行われる。 大阪府ではシンコ漁のみ行われ、通常2月末~3月上旬から1か月ほど続く。 兵庫県と大阪府は解禁日や1日の操業時間を共同で取り決めている。

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漁獲の動向

漁獲量は1952年の6,105トンから1971年には6.4万トンに増加した。 その後2万~5万トンの水準で変動したが、1980年には過去最高の7.3万トンに達した。 しかし、1989年には2万トンまで減少し、1992年には4.6万トンに増加したものの、それ以降は減少傾向が続き、2009年には4,307トンとなった。 2011年には2.5万トンに増加したがその後再び減少傾向となり、2017年には過去最低の1,252トンとなった。

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資源評価法

昨年度まではコホート解析によって資源量推定を行ってきたが、今年度は漁獲以外の影響による死亡率が増加した可能性や特異的な加入が見られたことから、過去の自然死亡係数や再生産成功率を仮定した値を用いた解析では資源量を適切に推定できないと判断した。 このため、1989年以降の漁獲量と資源量指標値を用いてABCを算定した。 資源量指標値として瀬戸内海東部海域の漁獲の大半を占める兵庫県での播磨灘および大阪湾における代表漁協(育波浦、淡路島岩屋)の0歳魚単位努力量当たり漁獲量(CPUE)の平均値を用いた。 ただし、0歳魚CPUEではコホート解析による親魚量(昨年度指標値)が高位であった頃のデータが乏しいため、親魚量データで補正した。

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資源状態

資源量指標値は、連続的にデータが得られ始めた1992年(3,110kg/統)から増減しつつ減少傾向で、2001年の3,544kg/統をピークに、2017年には過去最低の269kg/統となった。 親魚量が1989年に最大値を示したことから、1989年の親魚量(8.6万トン)/1992年の親魚量(5.7万トン)の比(1.52)を1992年の0歳魚CPUEに乗じて0歳魚CPUEの最大値(4,718kg/統)と仮定した。 こうして求めた0歳魚CPUEの最大値と最小値の間を3等分し、資源水準を区分した。 資源水準の高位と中位の境界は3,235kg/統、中位と低位の境界は1,752kg/統となり、2017年(269kg/統)の資源水準は低位と判断した。 また、過去5年(2013~2017年)の資源量指標値の推移から、資源動向は減少と判断した。

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管理方策

資源量指標値の水準および動向に合わせた漁獲を行うことを管理目標とした。 加入量が少ないと予測される年には解禁日を遅らせて1尾当たりの体重増加を待つなどの操業管理を継続する必要があろう。 また、当歳魚の漁期の終了を早めることで残存資源を調整すれば、翌年の再生産の安定化が期待できる。 しかし近年の価格高騰の影響から、本来であれば終漁と判断される状況の中でも漁期が延長される傾向にある。 漁獲量、資源量指標値ともに過去最低となった中で、このような状況が続けばさらなる資源状況の悪化を招くこととなり、禁漁も見据えた早急な資源保護施策の提言が必要である。
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.8・C2017・0.54 Target 430
Limit 537

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:高橋正知・河野悌昌

資源評価は毎年更新されます。