平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 サワラ 魚種写真
学名 Scomberomorus niphonius
系群名 瀬戸内海系群
担当水研 瀬戸内海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 6~8歳(雌が長寿)
成熟開始年齢: 1歳(50%)、2歳(100%)
産卵期・産卵場: 5~6月、東部では播磨灘、備讃瀬戸、西部では燧灘、安芸灘
食性: 稚魚期はカタクチイワシ等の稚魚、成魚期はカタクチイワシ、イカナゴ等魚類
捕食者: 不明

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漁業の特徴

春季に瀬戸内海へ来遊する1歳以上を、秋季に瀬戸内海から紀伊水道と豊後水道域に移動する0歳魚以上を漁獲する。 流し刺網が最も多く、2017年は漁獲量の72%を占め、ひき縄およびはえ縄の釣漁業があわせて17%であった。 紀伊水道・豊後水道では釣が主体である。 そのほかの漁法として、はなつぎ網でも漁獲する。 1998年から播磨灘と備讃瀬戸で秋漁の自主休漁が開始され、2002年から流し刺網の目合制限と休漁期設定を主体とする規制を実施している。 本種は栽培対象種で、2017年は6.5万尾の種苗を放流した。

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漁獲の動向

1968年から網揚げの機械化が普及し、流し刺網の隻数増加と秋の0歳魚漁の一般化が進んだ。 漁獲量は1975年まで1,000~2,000トン、1976~1984年は3,000~4,000トンと増加し、1985~1987年は6,000トン前後にまで達したが、その後急減し1998年には200トンを下回った。 その後、次第に増加し、2002年以降は1,000トンを、2014年以降は2,000トンを超えている。 2017年の漁獲量は2,204トンであった。

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資源評価法

1987年以降の年齢別漁獲尾数を基に、主要漁業である流し刺網、ひき縄およびはえ縄の操業隻日数当たり漁獲尾数でチューニングしたコホート解析により資源量を推定した。

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資源状態

1987年に1.6万トンを超えていた資源量は大きく減少し、1998年は710トンとなった。 その後、概ね増加傾向となったが、2017年はやや減少して5,677トンとなった。 親魚量、加入量も同様の経過をたどった。 2017年の加入量は急減したと推定される。 0歳魚体重との関係からそれ未満では瀬戸内海の生産力を十分利用していないと考えられる親魚量4,000トンを資源回復措置をとる閾値、Blimitとした。 2017年の親魚量(4,019トン)はBlimitを上回っている。 資源水準は瀬戸内海広域漁業調整委員会等の共通認識を踏襲し、資源量の最高と最低を3等分し、1.1万トンを高位と中位、5,900トンを中位と低位の境界とした。 2017年の資源水準は低位、動向は直近5年間(2013~2017年)の資源量の推移から横ばいと判断した。 資源が減少した要因は2014年以降の再生産成功率が低いこと、2017年の加入量が急減したことが考えられる。

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管理方策

資源水準は低位で、親魚量は2017年にBlimitをわずかに上回っているものの、今後減少すると推定される。 5年後の2024年に再びBlimitを上回ることを管理目標とし、削減率0.82×Fcurrent(F2017)=0.55を基準値として2019年ABCを算定した。 年齢組成が若齢に偏っているため、加入量が少ない年が続くと資源水準が低下する可能性が高いので、現状以上の資源管理措置を継続しながら、出来るだけ大型魚を狙って漁獲することが望ましい。 2017年の混入率は0.1%、添加効率は0.00であった。 なお、漁獲係数を10%増加させた場合に2024年の資源量の減少を補うには84万尾の人工種苗放流が、一方、放流を実施しない場合は漁獲係数の1%引き下げが必要となる。
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値から
の増減%)
0.82Fcurrent Target 948 22 0.44
(-35%)
Limit 1,117 25 0.55
(-18%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:石田 実・片町太輔

資源評価は毎年更新されます。