平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ヒラメ 魚種写真
学名 Paralichthys olivaceus
系群名 瀬戸内海系群
担当水研 瀬戸内海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 15歳程度
成熟開始年齢: 1歳(4%)、2歳(雄52%、雌75%)、3歳(雄91%、雌82%)、4歳(100%)
産卵期・産卵場: 東部海域(徳島県太平洋海域)では2~5月、中西部海域(周防灘・伊予灘、愛媛県斎灘・燧灘西部・島嶼部)では3~6月
食性: 着底稚魚はアミ類、成長とともにエビジャコや魚類、漁獲加入後は魚類、甲殻類、イカ類
捕食者: 人工種苗放流後の稚魚ではヒラメやマゴチ、スズキ等大型魚類、天然魚については不明

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漁業の特徴

主に小型底びき網(小底)、刺網、定置網、釣漁業で漁獲される。 2017年における漁法別漁獲量の割合は小型底びき網49%、刺網28%、定置網13%、釣漁業9%。 秋には未成魚、冬から春にかけては成魚が漁獲の主体となる。 周防灘の小底では「周防灘小型機船底びき網漁業対象種の資源管理に関する覚書」により全長25cm以下のヒラメの採捕を禁じている。 本種は栽培対象種であり、2016年には269万尾の人工種苗が放流された。

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漁獲の動向

漁獲量は1999年に1,118トンに達した後減少し、2003年以降1,000トンを割り込んでいる。 2017年は501トンであった。 瀬戸内海沿岸の小底標本船および標本漁協より集計した延べ出漁隻数の年計は2004年以降減少し続けている。 また同データに基づく小底単位努力量当たり漁獲量(CPUE)の加重平均値は、2004年に最大値に達した後減少し、近年は最大値の5~6割で推移している。

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資源評価法

1994年以降の年齢別漁獲尾数を基に小底CPUE加重平均値を用いたチューニングコホート解析を行い、年齢別資源尾数、資源量、親魚量を推定した。 再生産成功率と若齢魚の漁獲係数の低下を考慮し、最新年の0歳魚加入尾数は漁獲係数を用いずに過去最低の再生産成功率と親魚量の乗算で求め、また最新年の1歳魚の漁獲係数には最新年を除く直近3年(2014~2016年)の最低値を採用した。 その後再度コホート解析を行い、残る年齢の資源尾数と漁獲係数を求めた。

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資源状態

資源量は1998年以降徐々に減少し、2017年は1,720トンと推定された。 親魚量は2011年以降1,200トン強で推移しており、2017年の親魚量は1,205トンと推定された。 天然由来の0歳魚加入尾数は1995年をピークに減少傾向にあり、2017年の推定値は59万尾と1994年以降で最低となった。 再生産成功率は2014年以降0.5尾/kg台の低水準で推移している。 Blimit(843トン)は過去の最大親魚量(1,685トン)の1/2とし、このBlimitを資源水準の低位と中位の境界に、最大親魚量とBlimitの中間を中位と高位の境界にそれぞれ設定した。 2017年の親魚量(1,205トン)は中位水準に位置した。 近年5年間(2013~2017年)の親魚量の推移から動向は横ばいと判断した。

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管理方策

現在の親魚量水準はBlimitを上回ることから、現状の親魚量水準を維持することを管理目標とし、中長期的にこの水準を維持する漁獲係数FsusをFlimitに、その下で予想される漁獲量をABClimitとした。 なおFcurrent(0.46)はFlimit(0.36)を上回っており、現状では資源は減少し続ける。 資源の減少を止めるためには、漁獲圧を下げるか人工種苗の放流数を増やすかの何れか若しくは両方を行う必要がある。 2016年に放流された人工種苗における混入率は22%、添加効率は0.07と推定された。 但し放流時の標識装着率の把握は十分ではなく、人工種苗放流の効果に関する判断は現状では難しい。
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの
増減%)
Fsus Target 323 20 0.29
(-38%)
Limit 391 24 0.36
(-22%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:本田 聡・山田徹生

資源評価は毎年更新されます。