平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ウマヅラハギ 魚種写真
学名 Thamnaconus modestus
系群名 日本海・東シナ海系群
担当水研 西海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 10歳
成熟開始年齢: 雌雄ともに1歳
産卵期・産卵場: 4~6月、魚釣島付近、日本沿岸
食性: カイアシ類、貝類、エビ・カニ類、魚類、ヨコエビ類、ウニ類、ヒトデ類、ヒドロ虫類、鉢クラゲ類、石灰藻を含む紅藻類および珪藻類
捕食者: 不明

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漁業の特徴

我が国沿岸域では本種を専獲する漁船漁業はないが、沿岸の定置網漁業や刺網漁業、釣漁業等によって漁獲されている。 我が国の漁獲の主体は定置網漁業によるものである。 また近年はかご漁業、まき網漁業および各種底びき網漁業でも、本種を対象とした操業が行われるようになっている。 2015年と2017年には対馬海域において、大中型まき網漁業(大中まき)による目立った漁獲が見られた。 本系群は東シナ海に分布の主体があると考えられ、漁獲のほとんどが中国・韓国によるものである。

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漁獲の動向

我が国では漁獲統計が整備されていないため、各府県における水揚げ量(一部他のカワハギ類を含む)および大中まきによる水揚げ量を集計し、本種の漁獲量とした。 漁獲量は2002年の計6,600トンから、2008年には2,200トンまで減少し、以降は、概ね4,000トン前後で推移し、2017年は6,800トン(ただし大中まきを除くと3,800トン)であった。 本資源は中国と韓国による漁獲の割合が圧倒的に大きく、両国のカワハギ類の漁獲量(ウマヅラハギが大半と考えられる)は最盛期(1986年)にはそれぞれ43万トン、33万トンであったが、その後減少し、中国では近年20万トン前後、韓国では2017年に1,700トンになった。

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資源評価法

本系群の分布の主体は東シナ海にある。 本系群を主に漁獲している中国と韓国の漁獲量から、資源水準を判断した。 また、動向は各府県の水揚げ量から判断した。 東シナ海陸棚縁辺域における資源量直接推定調査による現存量推定値および以西底びき網漁業(以西)・沖合底びき網漁業(沖底)の資源密度指数も動向判断の参考とした。 大中まきでは、過去本種を対象とする操業は行われていなかったが、近年になって漁獲されるようになった。 したがって、大中まきによる漁獲の多寡は資源の増減を反映しているとはいえないと考え、動向判断には当漁業種による漁獲量を用いなかった。

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資源状態

中国・韓国によるカワハギ類の漁獲量は1992年以降低水準で推移していることから、分布の主体がある東シナ海における資源水準は低位にあると考えられる。 我が国周辺におけるウマヅラハギの漁獲量は2000年以降整理され始めたため、長期的な資源の変動は不明であるが、分布の主体がある東シナ海の資源水準が低位と考えられることから、本系群の資源水準を低位と判断した。 動向判断に用いた各府県の水揚げ量は横ばいである。 参考とした現存量推定値は減少傾向を示したが、以西・沖底の資源密度指数は横ばいであった。 これらから、本系群全体の動向を横ばいと判断した。

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管理方策

本資源は外国による漁獲の割合が圧倒的に大きく、また我が国の漁業の主体である定置網漁業は本種を積極的に漁獲する漁法でない。 このため我が国の漁業は本種の資源に大きな漁獲圧を与えていないと考えられる。 我が国における漁獲量の変動傾向に合わせて漁獲を行うことを管理方策として2019年ABCを算定した。 ただし大中まきの漁獲量は資源の増減を反映しているとはいえないため除くものとした。 資源全体の評価および管理にあたっては関係各国の協力が不可欠である。
管理基準 Target/Limit 2019年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの
増減%)
1.0・Cave3-yr・0.99 Target 32
Limit 40

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:酒井 猛・川内陽平・青沼佳方

資源評価は毎年更新されます。