平成30年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 トラフグ 魚種写真
学名 Takifugu rubripes
系群名 伊勢・三河湾系群
担当水研 中央水産研究所

生物学的特性

寿命: 10歳程度
成熟開始年齢: 雄2歳(100%)、雌3歳(100%)
産卵期・産卵場: 4~5月、三重県安乗岬の沖合、愛知県渥美外海の出山周辺水域
食性: 仔魚後期までは動物プランクトン、稚魚期は端脚類、十脚類、多毛類、昆虫類、未成魚期はイワシ類、幼魚や甲殻類、成魚期は甲殻類や魚類
捕食者: 不明

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漁業の特徴

4~5月に産まれた0歳魚は秋季には伊勢湾及び三河湾で、冬季以降には渥美半島外海で操業する小型機船底びき網で漁獲される。 1歳の秋季には伊勢湾口沖を中心とした海域でふぐはえ縄漁業の対象となる。 加入量の不安定さを緩和するためトラフグ人工種苗が大規模に放流されており、2017年漁期の放流尾数は55万尾であった。 漁期年は4~翌年3月である。

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漁獲の動向

2001年級群が卓越年級群であったことに伴って、2002年漁期の漁獲量は500トンを上回る豊漁となった。 2003~2004年級群の加入が少なかったため、2005年漁期の漁獲量は100トンを下回った。 その後、2005~2008年級群が中規模で加入したため資源状態は好転し、2006~2009年漁期には200トン前後の安定した漁獲が続いた。 しかし、2010年漁期以降は100トン前後の不漁が続き、2017年漁期の漁獲量は95トンにとどまった。

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資源評価法

1993~2017年漁期の0歳魚、1歳魚、2歳魚及び3歳以上をプラスグループとした年齢別漁獲尾数をもとに資源量指標値を考慮したコホート解析により計算した。 資源量指標値は、1995年漁期以降のふぐはえ縄漁業の出漁隻日及び1歳魚月別漁獲尾数から推定した。 自然死亡係数(M)を0.25と仮定した。

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資源状態

資源量は2004年漁期以降は、2007~2009年漁期に限っては中位水準で推移したが、それ以外は中位水準に満たなかった。 2017年漁期の資源量は182トン、親魚量は52トンと推定された。 過去25年間において親魚量、加入尾数は大きく変動しており、明瞭な再生産関係を見いだすことはできないため、Blimitは設定していない。 本種の再生産成功率には親魚量よりも海洋環境が強く影響を与えていると推察される。 資源水準は過去25年間において最大となった資源量812トンと0の間を3等分し、上から高位、中位、低位とした。 2017年漁期の資源量182トンから水準は低位、動向は最近5年間(2013~2017年漁期)の資源量の推移から横ばいと判断した。

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管理方策

資源水準が低位であることから、親魚量を増加させることを管理目標として2019年漁期ABCを算出した。 本系群は栽培漁業の対象であり、加入量の不安定さを緩和するため、人工種苗が大規模に放流されている。 2017年漁期の混入率は17%、添加効率は0.046と推定された。 これにより一定量の加入が親魚量によらず保障されていることからF20%SPRを適用した。 当該管理基準の下での親魚量は、2024年漁期にはFtargetでは287トン、Flimitでは228トンに増加すると予測された。 低位水準にある本系群の資源状態を早急に回復させるためには、資源管理指針・計画の下で実施されている未成魚の獲り控えをさらに徹底するなどの堅実な資源管理に取り組む必要がある。 加えて、天然魚の加入状態が好転し資源量が回復するまでは、現在の種苗放流規模を維持することにより、加入量の不安定さを緩和する措置を継続する必要がある。
管理基準 Target/Limit 2019年漁期ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの
増減%)
F20%SPR Target 59 27 0.28
(-63%)
Limit 71 32 0.35
(-54%)

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:鈴木重則・山本敏博・黒木洋明・澤山周平・市野川桃子

資源評価は毎年更新されます。