平成25年度資源評価票(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 キアンコウ 魚種写真
学名 Lophius litulon
系群名 太平洋北部
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 不明
成熟開始年齢: 雄5歳、雌6歳(東シナ海産に関する知見)
産卵期・産卵場: 5~7月、産卵場は不明
索餌期・索餌場: 周年、水深30~400m
食性: 魚類、頭足類
捕食者: 若齢個体がミズウオの胃内容物として出現

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

沖合底びき網漁業(沖底)、小型底びき網漁業(小底)を主体に、底刺網漁業や定置網漁業でも漁獲されている。漁業種類別水揚資料の整理は十分ではなく、青森~茨城の全県で漁業種類別漁獲量が把握できるのは2000年以降である。福島県や茨城県については1990年頃から水揚量が増加した。近年は沖底と小底で60%程度、宮城県以南では底びき網、青森県、岩手県では刺網、定置網などによる漁獲が多い。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

沖底の漁獲成績報告書に基づく統計資料によると、漁獲量(襟裳西海区を含む)は1973年の492トンから減少し、1978~1990年の13年間は90トン以下の低水準で推移した。1991年以降は急増し、1997年に1,133トンに達した。2005~2010年は2006年を除き388~479トンで推移している。2012年は、原発事故の影響による福島県の操業休止が続き191トンと大きく減少した。

▲このページのTOPへ

資源評価法

震災の影響を受け通常の漁獲が行われなかったことから2012年の漁獲量、指標値を使わず、震災前の各県調査による漁業種類別水揚量の動向・水準から資源状態を判断した。

▲このページのTOPへ

資源状態

沖底および小底のCPUE の変動傾向には、青森県と岩手県以南で違いがあり、近年は沖底による漁獲の割合は減少し代表性も低下していることから沖底や小底のCPUE を東北海域全体の資源変動の指標として用いることはできないと判断された。そこで青森~茨城全県合計漁業種類別漁獲量(2000年以降の数値)の水準と傾向から資源の状態を判断した。震災以前の漁獲量は、1,100~1,500トンで推移しているが、2003年以降は減少傾向にある。2000~2010年の漁獲量の平均値+標準偏差の2倍を高位と中位の境界、平均値-標準偏差の2倍を中位と低位の境界とすると、資源水準は中位となり、動向は減少とした。

▲このページのTOPへ

管理方策

現在の資源は中位水準、減少傾向にあると考えられるため、現状の資源水準をこれ以上減少させないことを管理目標とし、ABClimitは2008~2010年の漁獲量の平均値に0.8を乗じ、2008~2010年の3年間の漁獲量の傾きと平均から計算した係数0.98を乗じて求めた。ABCtargetは、さらに0.8を乗じた値とした。単価の低い産卵期(5~7月)における産卵親魚の保護を検討する必要がある。
  2014年漁獲量 管理基準 F値 漁獲割合
ABClimit 930トン 0.8・Cave3-yr・0.98
ABCtarget 750トン 0.8・0.8・Cave3-yr・0.98
  • ABC算定には規則 2-2)を用いた
  • 平成24年度にABC算定規則が改正され、ABCはABClimit=δ2・Ct・γ2、ABCtarget=ABClimit・αで計算した
  • γ2は、γ2=1+k(b/I)で計算をし、kは係数(標準値の0.5)、bとIは漁獲量の傾きと平均値(直近3年間)である
  • CtはCave3-yrとした
  • Cave3-yr、b、Iには2008~2010年の漁獲量を用いた
  • ▲このページのTOPへ

    資源評価のまとめ

  • 沖底の漁獲量は1991年に急増、1998年以降に比較的高い水準で安定、2003年以降では減少傾向
  • 震災以前の青森~茨城の漁業種類別漁獲量の合計値(2000年以降の値)は、1,100~1,500トンで推移している
  • 漁獲物の多くが未成魚であるが、2013年1~3月は少なく、加入が悪い可能性がある
  • 管理方策のまとめ

  • 現状の資源水準をこれ以上減少させない
  • 成長乱獲を避けることが必要
  • 単価の安い産卵期(5~7月)の産卵親魚の保護が必要
  • ▲このページのTOPへ


    執筆者:伊藤正木・服部 努・成松庸二

    資源評価は毎年更新されます。