平成27年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 スケトウダラ 魚種写真
学名 Gadus chalcogrammus
系群名 根室海峡
担当水研 北海道区水産研究所

生物学的特性

寿命: 不明
成熟開始年齢: 3歳
産卵期・産卵場: 1~4月、根室海峡
索餌期・索餌場 産卵期以外は、オホーツク海南西部と推測されるが未解明の部分が多い
食性: オキアミ類、カイアシ類をはじめとする浮遊性小型甲殻類、本海域では、冬季に魚卵および魚類を捕食している個体が多い
捕食者: 海獣類

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漁業の特徴

刺網やはえ縄などの沿岸漁業によって漁獲される。操業期間は、はえ縄専業船が11~翌年1月、刺網専業船が1~3月、その他刺網が4~12月である。なお、隣接する海域ではロシアの大型トロール船による操業が行われている。

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漁獲の動向

漁獲量は、1980年代に増加して1989年漁期に最高の11.1万トンに達した後、急激に減少し、2000年漁期には1.0万トンを下回った。その後は8,000~9,000トン前後で推移し、2011年漁期は1.9万トンに急増した。2012年漁期以後は減少し、2014年漁期の漁獲量は過去最低の6,900トンであった。なお、漁獲量は漁期年(4~翌年3月)で集計した。ロシアの漁獲量は不明である。

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資源評価法

日本漁船における漁獲量やCPUE、漁獲物の年齢組成は得られているがロシア漁船の操業や漁獲物については断片的な情報しか得られていない。そのため、資源量の算定が困難であり、漁獲係数、漁獲割合、資源量計算に基づく将来漁獲量の算定といった定量的な評価は行うことができない。そこで、日本漁船によるデータを基に資源状態を判断した。

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資源状態

刺網(専業船)のCPUEは1989年をピークに大きく減少し、その後横ばいで推移している。1981~2014年漁期の34年間のCPUEの最大値10.8(トン/隻日)と最小値1.0(トン/隻日)の間を3等分して高・中・低位とした。2014年漁期のCPUE1.2(トン/隻日)から水準は低位、動向は2010~2014年漁期のCPUEの推移から横ばいと判断した。なお、はえ縄のCPUEは、2007年漁期以後増加傾向にある。

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管理方策

本資源は日本とロシアにより漁獲されているが、ロシアの詳細な操業形態は不明である。また、その生態にも不明な点が多く、資源量推定や来遊予測は困難である。このため、ABCの算定は行わず、参考値としての算定漁獲量を提示する。2016年漁期算定漁獲量は、ABC算定規則2-1)による0.7・Cave3-yr・0.88とその予防的措置である0.8・0.7・Cave3-yr・0.88から算定した。
 
漁獲シナリオ
(管理基準)
Limit/
Target
F値
(Fcurrentとの
比較)
漁獲割合
(%)
将来漁獲量
(百トン)
確率評価
(%)
2016年漁期
算定漁獲量
(百トン)
       
資源の状態に
合わせた漁獲
(0.7・Cave3-yr・0.88)
Limit 59
Target 47
定義
  • Limitは漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの漁獲量、Targetは資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し、漁獲シナリオの下でより安定的な資源の維持が期待される漁獲量
  • ABC算定規則2-1)により、算定漁獲量はLimit=δ1・Ct・γ1、Target=Limit・αで計算し、係数αには標準値0.8を用いた
  • Ctは2012~2014年漁期の平均漁獲量(Cave3-yr)
  • δ1は資源水準で決まる係数であり、Ctに3年平均を用いる場合の低位水準の標準値である0.7を用いた
  • γ1(0.88)はγ1 =1+k(b/I)で計算した。kは標準値の1.0、bとIは刺網CPUEの傾きと平均値(直近3年間(2012~2014年))
  • 2016年漁期は2016年4月~2017年3月
コメント
  • 本資源の算定漁獲量の計算には、ABC算定規則2-1)を用いた
  • 本資源については既存の情報からは資源量の算定が困難なことから、F値(漁獲係数)、漁獲割合、将来漁獲量の算定など定量的な評価は行っていない
  • 本海域のスケトウダラは主に産卵回遊群を対象にした漁業であり、日ロ両国で行われている
  • 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第3に記載されている本資源の中期的管理方針では「ロシア連邦の水域と我が国の水域にまたがって分布し、同国漁船によっても採捕が行われていて我が国のみの管理では限界があることから、同国との協調した管理に向けて取り組みつつ、当面は資源を減少させないようにすることを基本に、我が国水域への来遊量の年変動にも配慮しながら、管理を行うものとする。」とされている
  • 我が国の漁業によるCPUEの動向から、資源水準は低位と推測されることから、資源回復を図る必要がある

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:田中寛繁・千村昌之・山下夕帆・船本鉄一郎

資源評価は毎年更新されます。