平成27年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 マダイ 魚種写真
学名 Pagrus major
系群名 瀬戸内海東部系群
担当水研 瀬戸内海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 15~20歳
成熟開始年齢: 3歳(50%)、4歳(100%)
産卵期・産卵場: 4月中旬~5月上旬:紀伊水道、大阪湾、播磨灘、5月中旬~6月中旬:備讃瀬戸 産卵適地は水深30〜70mの砂質底で、産卵適水温は16.5〜21.5℃
索餌期・索餌場: 体長約10cmの幼魚期までは産卵場に近い育成場、その後成長に伴い紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸に分布が広がる
食性: 甲殻類、多毛類、尾虫類、魚類
捕食者: 魚食性魚類(稚幼魚期)

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漁業の特徴

1925年以前は、一本釣り、吾智網、しばり網などによって比較的大型のものを漁獲していた。1970年代頃から、小型底びき網、吾智網、釣、刺網、小型定置網によって、小型魚が漁獲対象とされるようになった。瀬戸内海漁業取締規則により、毎年7月1日~9月30日の3カ月間、全長12cm以下のマダイの採捕が禁じられている。本種は栽培対象種であり、2013年には55.2万尾の人工種苗が放流され、0歳漁獲時の混入率は1.4%、2009〜2013年の平均的な添加効率は0.44と推定された。

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漁獲の動向

漁獲量は1956年の1,076トンから減少し、1971年には過去最低の234トンまで低下した。その後増加して、1984〜1998年では1,000トン前後で推移した。1999年以降再び増加し、2011年には過去最高の2,432トンとなった。その後も比較的高い値を維持し、2014年は2,018トン(概数)であった。

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資源評価法

1977年以降の年別年齢別漁獲尾数を基に、Popeの近似式を用いたコホート解析により資源量を推定した。最高齢(6歳以上)の漁獲係数Fについては5歳と同じ値とした。2014年の1~5歳魚の漁獲係数Fは、各年齢の過去3年間(2011~2013年)の平均とし、6歳魚以上の漁獲係数Fは5歳魚と等しくなるように探索的に求めた。ただし、2014年の0歳魚資源量は、再生産曲線に親魚量を代入して求めた。

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資源状態

資源量は1977年以降増加傾向にあり、2014年は5,501トンと推定された。親魚量も重量と同様に増加傾向を示しており、2014年はこれまでの最高の2,942トンとなった。Blimitはリッカー型再生産関係において最大加入量の50%が得られる親魚量(331トン)と設定した。2014年の親魚量はBlimitを大きく越えている。資源水準の区分は、Blimitを低位と中位の境界、Blimitと親魚量の過去最大値の中間値を中位と高位の境界とした。2014年の資源水準は高位、近年5年間(2010〜2014年)の親魚量の推移から動向は増加と判断した。

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管理方策

2014年の親魚量はBlimitを上回っているため、ABC算定規則1-1)-(1)に基づき、最大持続漁獲量を実現するFmsy(0.97)を管理基準として2016年ABCを算定した。Fmsyは、リッカー型の再生産関係および種苗放流による添加分をもとに設定した。なお、放流尾数および0歳時の添加効率は、それぞれ2009~2013年の平均値(65.6万尾、0.44)と仮定した。
管理基準 Limit/Target F値 漁獲割合
(%)
2016年ABC
(トン)
Fmsy Limit 0.97 35 1,600
Target 0.78 30 1,355

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:阪地英男・山本圭介

資源評価は毎年更新されます。