平成27年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
東シナ海底魚類 魚種写真
エソ類 ワニエソ Saurida wanieso
トカゲエソ Saurida elongata
マエソ Saurida macrolepis
クロエソ Saurida umeyoshii
シログチ Argyrosomus argentatus
キグチ Larimichthys polyactis
ハモ Muraenesox cinereus
マナガツオ類 マナガツオ Pampus punctatissimus
コウライマナガツオ Pampus echinogaster
カレイ類 ムシガレイ Eopsetta grigorjewi
メイタガレイ Pleuronichthys cornutus
ナガレメイタガレイ Pleuronichthys japonicus
系群名 東シナ海
担当水研 西海区水産研究所

漁業の特徴

主に以西底びき網漁業(以西)によって漁獲される。漁場は、かつて東シナ海・黄海の大陸棚上の広域に及んでいたが、現在では主に我が国EEZ内の九州西方海域に縮小した。対象種も大きく変化し、現在ではキダイ、マダイ、イカ類等が大きな割合を占め、本報告で対象としているグチ類、ハモ、マナガツオ類の占める割合は小さくなっている。我が国の他、中国・韓国も漁獲している。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

以西による漁獲量は、1960年代には30万トン以上であったが、1970年前半にはおよそ20万トンとなった。その後も漸減し、2014年は3,300トン、このうち、本資源の漁獲量はエソ類が132トン、カレイ類が52トンでその他の魚種はほとんど漁獲がなかった。本資源を最も大量に漁獲している中国は1990年代に漁獲量が増加し、近年も高い状態にある。韓国も我が国に比べて漁獲が多い。

▲このページのTOPへ

資源評価法

以西の漁獲統計(主に2そう曳き)と資源量指標値(東シナ海陸棚縁辺部において行った着底トロール調査から得た現存量推定値と以西におけるCPUEとの相乗平均)から資源状態を判断した。

▲このページのTOPへ

資源状態

以西による本資源の1980年から現在までの漁獲量、およびCPUEの長期的な推移から、資源水準を判断した。いずれの種についても1990年代までに漁獲量、CPUEが共に大きく低下したうえ、近年の中国や韓国の漁獲動向も良好とはいえないことから、資源水準は低位と判断した。東シナ海大陸棚上における近年の情報が著しく不足していることから、本資源全体の動向を判断することは困難である。九州西方の我が国EEZ内の海域における資源量指標値の傾向から、エソ類とカレイ類は横ばい、シログチ、ハモ、マナガツオ類は減少と判断した。キグチについては、近年の漁獲はほとんどなく、調査結果から特定の動向を判断するのは困難なことから不明とした。
エソ類 シログチ キグチ
ハモ マナガツオ類 カレイ類

▲このページのTOPへ

管理方策

本資源は、産卵場を含む主分布域が我が国EEZ外に存在する。我が国の漁獲が著しく減少している一方、中国と韓国による漁獲は日本よりはるかに多く、本資源に与える影響は極めて大きいと考える。東シナ海における有効な資源管理のためには、関係各国の協力体制の構築が必要である。近年の以西の操業海域においては、資源の増減傾向に合わせて漁獲することを資源管理目標とするのが妥当である。

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

  • 東シナ海陸棚域の資源状況については、近年の動向を判断する詳細な情報が少ないため、主漁場(九州西方EEZ海域)の指標値から資源状態を判断した
  • 資源水準は低位、動向はエソ類、カレイ類は横ばい、シログチ、ハモ、マナガツオ類は減少、キグチは不明
  • すべての資源が低位水準であることから、資源状態は良くないと判断される
  • 管理方策のまとめ

  • 我が国の漁業が対象資源に与える影響は小さい
  • 近年の以西の操業海域においては、実際の資源密度に応じた漁獲を続けることが望ましい
  • 東シナ海の資源減少は外国による漁獲の影響が大きいと考えられ、資源の管理、有効利用のためにも関係国間の協力が不可欠
  • ▲このページのTOPへ


    執筆者:青沼佳方・酒井 猛・川内陽平

    資源評価は毎年更新されます。