平成28年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 スケトウダラ 魚種写真
学名 Gadus chalcogrammus
系群名 オホーツク海南部
担当水研 北海道区水産研究所

生物学的特性

寿命: 不明(10歳以上)
成熟開始年齢: 4歳(50%以上)
産卵期・産卵場: 3~5月の北見大和堆~宗谷地方沿岸及びテルペニア(多来加)湾周辺と推定されているが、詳細は不明 (現在はロシア水域が中心)
食性: オキアミ類、カイアシ類、クラゲノミ類、ヨコエビ類をはじめとする小型甲殻類、イカ類、魚類など。本海域では魚類の割合が高い
捕食者: 不明

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漁業の特徴

本海域のスケトウダラは北海道のオホーツク海沿岸からサハリン東岸にかけて分布しており、分布の中心はロシア水域にある。大半が沖合底びき網(沖底)により漁獲され、沿岸漁業の占める割合は3%未満と小さい。漁期は流氷の接岸期を除く周年であり、1990年漁期以降では4~7月の漁獲量が多い。沖底のうち1986年漁期まではオッタートロール(オッター)による漁獲が多かったが、それ以降はかけまわしによる漁獲が主体となっている。減船により2012年末以降の沖底の許可隻数は15隻となっている。

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漁獲の動向

漁獲量は漁期年(4~翌年3月)で集計した。1980年代前半までは概ね15万トン前後で推移したが、ソ連(ロシア)水域の漁獲規制強化等で1986年漁期に大きく減少し、1990~2009年漁期は3万トン以下で推移した。2006年漁期ごろから増加傾向を示し、2012年漁期に5.3万トンまで増加したが、その後は減少し2015年漁期は3.3万トンであった。漁獲努力量は2000年漁期以降は概ね横ばい傾向で推移している。

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資源評価法

本資源はロシア水域との跨り資源である。日本水域については日本漁船による漁獲量と単位努力量当たりの漁獲量(CPUE)が得られているが、ロシア水域での漁獲状況や再生産状況に関する情報は少なく、日本水域における既存の情報のみから資源量等を算定することは困難である。そこで、日本漁船による漁獲量やCPUE、資源量指数の推移に基づいて資源状態を判断する。なお、調査船調査結果およびロシア水域におけるTACの設定値も参考に用いた。

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資源状態

資源水準の判定には1980年代に漁獲の主体であったオッターによるスケトウダラ有漁操業の漁区別CPUEの総計を資源量指標値として用いた。1980~2014年漁期の資源量指標値の平均を100とし、過去の推移から高位と中位の境界値を350、中位と低位の境界値を60と設定した。2015年漁期の資源量指標値は34であり低位と判断した。資源の動向については、近年漁獲の主体であるかけまわしのスケトウダラ狙い操業CPUEを用い、過去5年間(2011~2015年漁期)の推移から動向は減少と判断した。ロシア(東サハリン)のスケトウダラのTACは2006~2014年に増加傾向を示し、2016年も10.7万トンと高い水準であるが、一方で調査船調査における現存重量は2013年以降減少傾向であり、2016年も低い水準に留まっている。

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管理方策

本資源は、現状では日本水域内における産卵場が確認されていないことから、他の海域で発生した群れが成長のため一時的に来遊した集団と考えられている。このため、日本水域外に分布する集団を含む資源量全体の推定は困難である。また、我が国のみの資源管理による効果は限定的と想定され、その管理効果の判定も困難である。よって、ABCの算定は行わず、参考値としての算定漁獲量を提示する。算定漁獲量は資源の状況に合わせて漁獲を行うシナリオとして、1.0・Cave3-yr・0.83とその予防的措置とした。この漁獲を継続することにより過度の漁獲圧をかけない管理が妥当であり、ロシア水域における漁獲状況等の情報収集の継続も必要である。
漁獲シナリオ
(管理基準)
Target/Limit F値
(Fcurrentとの比較)
漁獲割合
(%)
2017年漁期
算定漁獲量
(千トン)
Blimit=
親魚量5年後
(千トン)
資源の状態に
合わせた漁獲
(1.0・Cave3-yr・0.83)
Target 20.6
Limit 25.7
定義
  • Limitは、各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの漁獲量。Targetは、資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し、各漁獲シナリオの下でより安定的な資源の維持が期待される漁獲量
  • 算定漁獲量はLimit=δ1・Ct・γ1、 Target=Limit・αで計算し、係数αには標準値0.8を用いた
  • Ctは2013~2015年漁期の平均漁獲量(Cave3-yr)とした
  • δ1は資源水準で決まる係数であるが、本資源の主体は来遊群であり現状では主産卵場も日本水域にはないことから資源水準によらず1.0とした
  • γ1(0.83)はγ1 = (1+k(b/I))で計算した。kは標準値の1.0、b(-0.64)とI(3.90)はかけまわしCPUEの傾きと平均値(直近3年間(2013~2015年漁期))である
  • 2017年漁期は2017年4月~2018年3月
コメント
  • 本資源の算定漁獲量の計算には、規則2-1)を用いた
  • 本資源は既存の情報からは資源量の算定が困難なことから、F値、漁獲割合、将来漁獲量の算定など定量的な評価は行っていない
  • 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第3に記載されている本資源の中期的管理方針では「ロシア連邦の水域と我が国の水域に跨って分布し、同国漁船によっても採捕が行われていて我が国のみの管理では限界があることから、同国との協調した管理に向けて取り組みつつ、当面は資源を減少させないようにすることを基本に、我が国水域への来遊量の年変動にも配慮しながら、管理を行うものとする。」とされている
  • 資源量、ABC等の推定が困難であるため、漁獲主体である沖底船の漁獲努力量を管理する方策が有効である
  • スケトウダラを対象とする曳き網回数は2000年漁期以降比較的安定しており、資源を減少させる規模ではないと判断される

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:山下夕帆・田中寛繁・千村昌之・石野光弘・船本鉄一郎

資源評価は毎年更新されます。