平成28年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 カタクチイワシ 魚種写真
学名 Engraulis japonicus
系群名 対馬暖流系群
担当水研 西海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 3年程度
成熟開始年齢: 1歳(100%)
産卵期・産卵場: 主に春から夏にかけて、対馬暖流域全域、能登半島以南では秋季まで継続
食性: カイアシ類を中心とした動物プランクトン
捕食者: 仔稚魚期は肉食性動物プランクトンやマアジ・マサバなどの魚類、未成魚・成魚期は魚類の他に、クジラやイルカなどの海産ほ乳類や海鳥類など

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漁業の特徴

日本海北区(石川県~新潟県)では主に定置網漁業により漁獲され、日本海西区(山口県~福井県)では主に大中型まき網・中型まき網・定置網漁業などにより漁獲される。東シナ海区(福岡県~鹿児島県)では、主に中型まき網漁業により漁獲される。シラスは主に熊本県や鹿児島県の沿岸域で漁獲される。

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漁獲の動向

1996~2000年には10万トン超の漁獲があったが、2004年には6.1万トンまで減少した。その後横ばいとなり、2009~2013年にかけて減少傾向にあったが、2014年に増加に転じ、2015年は6.1万トンであった。シラスの漁獲量は、2000年には1万トンを超えたが、その後急減した。2005年前後には再び1万トン近い漁獲があったが、その後は減少傾向であり、2015年は5,000トンであった。海区別では、2000年以降東シナ海区の漁獲が最も多い。

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資源評価法

シラスを含めた年別年齢別漁獲尾数に基づくコホート解析により、資源量を推定した。産卵調査、計量魚探調査および新規加入量調査(ニューストンネット)などの資源量指標値も、資源動向などを判断するための参考とした。

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資源状態

資源量は、1998年には30.6万トンに達したが、2001年には13.0万トンまで減少した。2007年に一時増加した後、2008~2013年は減少傾向を示したが、2014年から増加に転じ、2015年は13.2万トンとなった。親魚量も資源量と同様の推移を示した。再生産成功率の上位10%と加入尾数の上位10%に相当する2直線の交点から、2005年水準の親魚量をBlimit(9.1万トン)とした。2015年の親魚量は6.1万トンであり、Blimitを下回った。水準の高位と中位の境は1977年以降の上位1/3となる親魚量(15.5万トン)、中位と低位の境はBlimitとし、資源水準は低位と判断した。資源動向は資源量・親魚量の直近5年(2011~2015年)の推移から横ばいと判断した。

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管理方策

2015年の親魚量がBlimitを下回っていることから、5年後に親魚量をBlimitに回復させることを管理目標とした。将来の再生産成功率が2005~2014年の中央値で推移すると仮定した時、5年後に親魚量がBlimitに回復する漁獲係数(Frec5yr)を管理基準値とし、2017年ABCを算出した。なお、ABCにはシラス漁獲量を含む。親魚量と加入量との間には正の相関関係があることから、資源を安定して利用するためには、親魚量の確保が有効であり、加入が少ないと判断された場合には、漁獲の大半を占める0歳魚を獲り控えることが効果的 である。
管理基準 Target/Limit F値 漁獲割合
(%)
2017年ABC
(千トン)
Blimit=
91千トン
親魚量5年後
(千トン)
Frec5yr Target 1.55 44 47 222
Limit 1.94 48 51 91

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:安田十也・林 晃・黒田啓行・高橋素光

資源評価は毎年更新されます。