平成28年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 イトヒキダラ 魚種写真
学名 Laemonema longipes
系群名 太平洋系群
担当水研 東北区水産研究所

生物学的特性

寿命: 雄18歳、雌24歳程度
成熟開始年齢: 雄5歳以上、雌7歳以上
産卵期・産卵場: 2~4月、関東・東北南部沿岸~本州東方の外洋域(黒潮~黒潮続流域)
食性: オキアミ類やカイアシ類などの甲殻類およびヤムシ類やハダカイワシ科魚類など
捕食者: ムネダラなどの大型ソコダラ類やオットセイ、マッコウクジラ、ツチクジラなどの海産哺乳類

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

主に沖合底びき網漁業によって漁獲され、漁獲量は金華山海区で最も多い。スケトウダラの代替で練り製品の原料として利用されており、漁獲圧はスケトウダラやその他魚類の漁獲状況によって変化する。日本水域内では、ロシアに対しても漁獲量が割り当てられている。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

日本水域内における漁獲量は2000年に4.8万トンでピークを迎えた後減少し、2015年は1.8万トンであった。北海道の沖底による漁獲は、1995年に2.1万トンをピークに減少し、2015年は160トンであった。東北の沖底による漁獲は、東日本大震災以降漁獲量が激減し、2015年は951トンであった。ロシア船による漁獲は、2001年に2.7万トンで最高値を取り徐々に減少し、2015年は1.7万トンであった。

▲このページのTOPへ

資源評価法

着底トロール調査による現存量調査を実施し、面積-密度法を用いてイトヒキダラの現存量を推定した。現存量推定値とロシア船の単位努力量あたりの漁獲量(CPUE)から資源状態を判断した。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源水準は現存量(東北海域は1995年以降、北海道太平洋岸は1999年以降)ならびに2000年以降のロシア船のCPUEそれぞれの平均値を100%とし、140%以上を高位、60~140%未満を中位、60%未満を低位とした。1999~2015年の現存量は6.3万~20.2万トンで推移しており、東北海域の現存量は比較的安定しているが、道東海域および襟裳以西の現存量は経年変化のばらつきが大きい。2015年の現存量は6.3万トンで過去最低であり、資源の減少が懸念される。一方、2015年のロシア船CPUEは平均値を上回り、過去最高であった。総合的に判断し、水準は中位と判断した。現存量の値は最近5年間(2010~2015年)、ほぼ横ばいであることから動向は横ばいと判断した。

▲このページのTOPへ

管理方策

本資源は数年に一度発生する卓越年級群(2002年や2010年など)によって支えられており、また成長が遅く成魚になるまで年数がかかるため、親魚を取り残すことが重要である。そのため、親魚量を維持することを管理目標として2017年ABCを算定した。
管理基準 Target/Limit F値 漁獲割合
(%)
2017年ABC
(千トン)
Blimit=
親魚量5年後
(千トン)
0.9・Cave3-yr・0.61 Target 12
Limit 15

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ


執筆者:柴田泰宙・成松庸二・服部 努・鈴木勇人・永尾次郎

資源評価は毎年更新されます。