平成28年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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イカナゴ類 魚種写真
オオイカナゴ Ammodytes heian
イカナゴ A. japonicus
キタイカナゴ A. hexapterus
系群名 宗谷海峡
担当水研 北海道区水産研究所

生物学的特性

寿命: 6歳以上
成熟開始年齢: 3歳(大部分)
産卵期・産卵場: イカナゴは3月下旬~5月上旬、稚内、枝幸および利尻島・礼文島周辺の沿岸域、キタイカナゴは11月下旬~12月、サハリン周辺の沿岸域、オオイカナゴについては上述の知見と大きく相違ないと推察されるが、詳細は不明
食性: 未成魚はカイアシ類などの浮遊性甲殻類や珪藻類、成魚はカイアシ類、端脚類、オキアミ類、十脚類、ヤムシ類、魚類
捕食者: 魚類、海獣類のトドなど

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漁業の特徴

本資源の大部分は沖合底びき網(沖底)によって漁獲される。小型定置網、すくい網および敷網などの沿岸漁業でも漁獲されるが、その量は少ない。沖底(オッタートロール、かけまわし)は、主に宗谷海峡東方海域において、1~6歳魚の索餌群を漁獲対象として6~9月に実施されている。沿岸漁業では、利尻島・礼文島周辺海域や稚内沿岸において、0~3歳魚を4~7月に漁獲している。

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漁獲の動向

沖底と沿岸漁業を合わせた総漁獲量は2014年に過去最低の443トンに減少したが、2015年には6,506トンに増加した。沖底の漁獲量は、1982年以降減少し、1987年には1.2万トンに落ち込んだが、1995年には5.2万トンに回復した。2000年以降は1.0万~2.0万トンの低い水準で推移した。2014年に過去最低の429トンに減少したが、2015年には6,216トンに増加した。沿岸漁業も2000年以降は50~1,200トンの低い水準で推移し、2015年は290トンであった。

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資源評価法

漁業データが利用可能な1996年以降の沖底の単位努力量当たり漁獲量(CPUE)を標準化した値(以後、標準化CPUE)を資源量指標値とし、資源状態を判断した。ただし、本資源は日本水域とロシア水域に跨って分布しているため、CPUEに基づく資源状態の判断には不確実性が伴う。なお、CPUE標準化には一般化線形混合モデルを適用し、月、漁法、およびそれらの交互作用による効果を除去したCPUEを推定した。

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資源状態

標準化CPUEは、2006年に12.8トン/網となった後に減少傾向に転じ、2014年には過去最低の0.8トン/網に減少したが、2015年には5.8トン/網に大きく増加した。1996~2015年の標準化CPUEの平均値を50として、各年の相対値を資源水準指数とした。水準指数70以上を高位水準、30以上70未満を中位水準、30未満を低位水準とした。2015年の水準指数は44であったため、資源水準は中位と判断した。また、過去5年(2011~2015年)の標準化CPUEの推移から、資源動向は横ばいと判断した。資源水準が2015年に中位に好転したのは、比較的豊度の高い体長20 cm以下の若齢魚が加入したためであると考えられる。

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管理方策

資源水準は2015年に中位に好転したが、沖底の操業可能海域への本資源の来遊状況は海洋環境等に影響を受けて突然変化する場合があり、現段階において資源状態が良くなったと結論付けることはできない。そのため、これまでの資源回復計画での取り組み(操業期間の短縮、休漁日の設定)を継続しながら、引き続き今後の加入状況に注視する必要がある。

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:岡本 俊・加賀敏樹・山下紀生・船本鉄一郎

資源評価は毎年更新されます。