平成28年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ヒラメ 魚種写真
学名 Paralichthys olivaceus
系群名 瀬戸内海系群
担当水研 瀬戸内海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 15歳程度
成熟開始年齢: 1歳(4%)、2歳(雄52%、雌75%)、3歳(雄91%、雌82%)、4歳(100%)
産卵期・産卵場: 東部海域は2~5月、中西部海域は3~6月
食性: 着底後の稚魚はアミ類、仔魚等、成長に伴い魚食、甲殻類やイカ類も捕食
捕食者: 稚魚期はマゴチなどの大型魚

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漁業の特徴

主に小型底びき網(小底)、刺網、定置網、釣りによって漁獲される。2015年の漁法別漁獲量の割合は、小底57%、刺網25%、定置網11%、釣り7%であった。秋には未成魚、冬~春には成魚を中心に漁獲される。本種は栽培対象種である。2014年には288万尾の人工種苗が放流され、放流魚の混入率は15%、添加効率(放流魚の漁獲加入までの生残率)は0.05と推定された。近年の漁獲努力量は減少している。

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漁獲の動向

漁獲量は1970年代前半までは200トン前後だったが、1970年代後半から増加し、1999年には最高値の1,118トンとなった。2003年以降は減少傾向を示しており、2015年は586トン(概数値)であった。 小底標本船・標本漁協の近年の漁獲努力量(出漁隻数)は減少しているが、単位努力量当たり漁獲量(CPUE)は近年5年間は横ばい傾向で推移している。

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資源評価法

1994~2015年の年齢別漁獲尾数を基に、小底標本船および標本漁港のCPUEを相対資源量の指標として、チューニングコホート解析による資源量推定を行った。 最近年0歳魚資源尾数は、親魚量と再生産成功率の近年5年間(2010~2014年)の平均値等を用いて推定した。

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資源状態

資源量は1998年に最高の3,023トンとなった後に徐々に減少し、2015年は1,885トンと推定された。親魚量は増減を繰り返したが、2011年以降では1,200トン台で安定しており、2015年は1,239トンとなった。加入量(天然魚)は1990年代に減少したが、2004年以降は安定している。再生産関係において最大加入量の50%が得られる親魚量840トンを暫定的なBlimitに設定した。最大親魚量とBlimitの中間値(1,260トン)を高位・中位の境界に、Blimitを中位・低位の境界とし、2015年の親魚量から水準は中位と判断した。近年5年間(2011年~2015年)の親魚量と標本船・標本漁協のCPUEの推移から、動向は横ばいと判断した。なお、今年より低位判断境界をBlimitに変更した。

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管理方策

2015年の親魚量はBlimitを上回っていることから、中長期的に親魚量水準を維持することを管理目標とした。中長期的にこの水準を維持する漁獲係数Fsus(2010~2014年の平均的な再生産成功率の逆数に対応する加入量当たり親魚量を維持する)を管理基準として、2017年ABCを算定した。Fsusは0.50となり、これをFlimitとした。本種では種苗放流が行われているが、放流尾数を減少させたとしても、漁獲努力量が減少し続けていることから、現状の資源量を維持できる可能性がある。
管理基準 Target/Limit F値 漁獲割合
(%)
2017年ABC
(トン)
Blimit=
840トン
親魚量5年後
(トン)
Fsus Target 0.40 22.5 450 2,126
Limit 0.50 27.0 540 1,641

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:阪地英男・山本圭介

資源評価は毎年更新されます。