水産資源評価とは
水産資源評価とは
資源評価の目的
水産資源の調査・評価は、漁獲対象となる魚類等の資源状況について、現状の資源量などが一定以上の水準に達しているかどうか、その資源に対する漁獲の強さが適正かどうかなどを判断し、今後の持続的な資源利用を考えるうえで支えとなるような科学的な根拠を提供することを目的としています。
我が国周辺海域における主要な水産資源の調査・評価の実施については、水産基本法ならびに 2018 年に一部改正された漁業法(以下、「改正漁業法」)において、以下のように定められています。
水産基本法第十五条
「国は、水産資源の適切な保存及び管理に資するため、水産資源に関する調査及び研究その他必要な施策を講ずるものとする。」
改正漁業法第九条
「農林水産大臣は、資源調査の結果に基づき、最新の科学的知見を踏まえて資源評価を実施するものとする。」「農林水産大臣は、資源評価を行うに当たっては、全ての種類の水産資源について評価を行うよう努めるものとする。」「農林水産大臣は、国立研究開発法人水産研究・教育機構に、資源調査又は資源評価に関する業務を行わせることができる。」
加えて、改正漁業法では、水産資源ごとに、最新の科学的知見を踏まえて実施された資源評価に基づいて最大持続生産量(以下、「MSY」)を実現できる資源状態を目標として設定し、この目標をめざす漁獲可能量により管理を行うことを基本とする新しい資源管理が提唱されています(MSY ベースの資源評価)。
これらの法の定めのもと、水産研究・教育機構は、都道府県の水産試験研究機関等とともに構成する「水産資源調査・評価推進委託事業共同実施機関(JV)」の代表機関として、構成員である各機関と連携して資源調査・評価を毎年実施し、MSY ベースの管理基準値を導入した新しい資源評価にも取り組んでいます。