資源の変動を理解するためには、それぞれの種がどのように生活しているかを知る必要があります。マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシの生態はお互いによく似ているところがあります。いずれも仔魚期(シラス)から稚魚期にかけて変態を行います。仔魚期には、動物プランクトンを主食としますが、稚魚期以降からマイワシだけ植物プランクトンも利用できるようになります。
成長についてはマイワシが一番良く研究されています。マイワシの成長は、資源が小さいときには早く、大きいときには遅いことが分かっています。また、仔魚期および稚魚期の成長の早さがその後の生き残りに影響するという仮説もあります。
マイワシは7歳くらいまで生きると考えられています(もっと長く生きる可能性もあります)。資源が小さい時には成長、成熟が早くなることから寿命が多少短くなることも考えられます。カタクチイワシとウルメイワシの寿命についてはよく分かっていませんが、体長組成の変化などをみると2歳くらいまで生きるようです。
おそらくカタクチイワシやウルメイワシも資源の大きさによって生態を変化させていると想像され、このような資源量の変動と生態の変化を長期間にわたりモニタリングすることにより、資源変動のメカニズムの理解が進むとともに、資源評価の精度が向上します。