対馬暖流域(東シナ海・日本海)におけるマイワシは、日本・韓国・ロシアが漁獲していましたが、近年では日本のみが漁獲しています。日本の漁獲量の推移をみると、1990年代始めには160万トン近くの漁獲量でしたが、急激に減少し、2001年以降は1000トン程度にとどまっています。
水産庁・水産総合研究センター・各都道府県の水産試験研究機関では共同してマイワシの資源量を推定するためのデータを収集しています。下段の図は、コホート解析によって推定されたマイワシの資源量、漁獲割合(漁獲量÷資源量)、漁獲死亡係数(F)の推移を示しています。
資源が高水準の時には漁獲割合は低く、資源が低水準の時には漁獲割合が高くなっています。このことは資源が低水準の時には漁獲の影響を受けやすいことを示しています。最近では、マイワシの漁獲量が極端に少ないことで年齢別漁獲尾数を精度良く推定することが難しいことなどにより、Fや漁獲割合が高めに推定されている可能性はありますが、マイワシの資源量は極端に低い状態にあると考えています。
資源の減少要因としては、自然環境の変化による加入量の減少と資源減少期の漁獲の影響があげられます。