マイワシの年齢構成の推移

資源量を計算する方法のひとつにコホート解析があります。コホート解析を行うためには、年ごとに年齢別の漁獲尾数を推定することが必要です。この図は、1978年以降の対馬暖流域におけるマイワシの年齢別の漁獲尾数とその割合を示したものです。

1970年代末から1980年代初めにかけて0歳魚の漁獲尾数が多くなり、80年代半ばには1〜3歳魚の漁獲が増加しました。そして1980年代後半から1990年代半ばまで4歳魚以上の割合が徐々に増加していたことが分かります。

コホート解析によって各年齢の資源尾数を計算すると、1980年代前半に引き続いて0歳魚の大量の加入(漁獲される大きさまで生き残った尾数)があったので資源が増大し、1988年以降は親魚量に比べて0歳魚の加入量が少なくなって年齢構成が高齢化し、やがて親魚量の減少とともに加入量も減少を続けたと考えられます。

1988年以降はそれまでと比べて、発生初期の生残率が低くなったと推察されます。