水産研究・教育機構では、都道府県の水産試験研究機関等と構成する共同実施機関により水産庁からの委託を受け、2018年度までは、我が国周辺水域に分布している主要な水産資源のうち、漁獲可能量(TAC)制度対象種であるマアジ、マイワシ、マサバ、ゴマサバ、スケトウダラ、ズワイガニ、スルメイカを初めとする概ね50種の約80系群(1つの種でも産卵場、分布、回遊等を異にする地域集団がある場合は系群として区分)について資源の評価を行ってきました。

漁業法の改正を受けて、2018年度より評価対象種を順次拡大し、2021年度においては、先述の50種を含む192種を対象としています。

資源評価の対象としている種は、我が国周辺水域に広範囲に分布・回遊するものから、ごく沿岸に生息しているものまであり、それぞれの特性に応じた調査を実施しています。とくに広範囲に分布・回遊する種の資源状態を把握するのは容易ではありません。対象資源の分布・回遊状況に応じて適切な時期や場所を選んで計画した調査船調査や、市場に出向いて行う漁獲物調査が必要です。また、種類や場合によっては音響探査や遺伝情報の活用など最先端の技術を導入することもありますし、複数の調査船が漁場内の資源を一斉に調査するような大規模な取組みもあります。

これらを計画的かつ効率的に実施することが必要なため、@調査の企画・立案、A調査の実施、B調査結果に基づく資源評価の実施という3つの過程を通じ、都道府県水産試験研究機関等の参画・連携を図りながら取組みを行っているところです(別表フロー図参照)

資源評価は、利用可能なデータのレベルに応じて、最善の評価ができるよう取り組んでいます。

各年の資源尾数が計算されて、親魚と、それが生み出す子魚の量の関係が推定できる資源では、その関係(再生産関係)を用いることにより、資源を長期的に最大限に利用する方策を検討することが可能です。これらの資源については、最大持続生産量を実現できる資源の目標を基本として推定し、それを目指すための漁獲シナリオを提示していくこととしています。

現状で、最大持続生産量が推定できる情報がない資源については、さらなるデータの充実を目指すとともに、現状の知見やデータの水準に応じた漁獲方策を提示していきます。