平成29年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 ヤリイカ 魚種写真
学名 Heterololigo bleekeri
系群名 対馬暖流系群
担当水研 日本海区水産研究所

生物学的特性

寿命: 1年
成熟開始年齢: 約1歳
産卵期・産卵場: 1~5月(盛期は2~3月、青森県~山口県)、5~7月(北海道宗谷地方)、沿岸の岩礁域、陸棚上の沖の瀬など
食性: 外套背長50mmまでは主にカイアシ類、60~150mmではカイアシ類、オキアミ類、アミ類、170mm前後からは魚類
捕食者: 海産ほ乳類、大型魚類

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漁業の特徴

陸棚の発達する日本海西部海域(福井県~山口県)では沿岸から沖合にかけて広範囲に分布し、各種底びき網漁業、いか釣り漁業、定置網漁業で漁獲される。日本海北部海域(北海道~石川県)では主に定置網で漁獲され、その他底びき網でも漁獲される。両海域とも盛漁期は10~3月で産卵群を中心に漁業が行われる。漁獲量は長期的に減少しており、特に日本海西部海域で著しい。

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漁獲の動向

本系群の全漁獲量は1990年以降長期的に減少傾向にあったが、2015年から増加し2016年は4,640トンとなった。これは北海道の漁獲が増加した事に因る。1990年以前は青森県と日本海西部2そうびき沖合底びき網(西部沖底)の漁獲量のみ統計がある。この2つの合算値は、1970年代に計1万トンを超えたが西部沖底の漁獲量が1980年代から減少し2000年以降極めて少なく、合算値も低い水準となっている。

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資源評価法

本系群は、系群全体の資源量を推定できておらず、また系群全体を代表する資源量指標値が得られないことから、漁獲量をもとに資源評価を行った。資源水準の判断には、本系群の漁獲量において大半を占め、かつ漁獲量の多かった1970年代の値が含まれている青森県と西部沖底の漁獲量の合算値を用いた。動向の判断には、本系群の全漁獲量を用いた。

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資源状態

本系群の資源状況および分布域は海洋環境の影響を強く受けることが指摘されている。西部沖底の資源密度指数は、1970年代後半に高かったが1980年代から減少し2000年以降極めて低い値となっている。これは、水温上昇によってヤリイカの分布域が北偏し、日本海西部海域での資源量が減少したためと推察されている。資源水準の区分は、青森県と西部沖底の漁獲量を合算した最大値(1.7万トン)を三等分し、1.1万トン以上を高位、5,561トン以上かつ1.1万トン未満を中位、5,561トン未満を低位とした。2016年の合算した漁獲量は2,002トンであり、中位と低位の境界値である5,561トンを下回ったことから低位と判断した。動向は、全漁獲量の直近5年間(2012~2016年)の推移から増加と判断した。

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管理方策

資源水準および変動傾向に合わせた漁獲を行うことを管理方策とし2018年ABCを算定した。資源動向は増加となったが、資源水準は低位であり、また、水温上昇によりヤリイカの分布域が北偏し、日本海西部海域での資源量が減少している可能性がある。そのため、適切な資源管理の下、環境が好転するまで親魚量を確保することが重要であり、海域毎に情報を収集・整理した上で資源状況に応じた管理方策を検討することも重要である。
管理基準 Target/Limit 2018年ABC
(百トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値からの増減%)
0.7・Cave 3-yr・1.18 Target 23
Limit 29

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:松倉隆一・久保田洋・宮原寿恵

資源評価は毎年更新されます。