令和元年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 シャコ 魚種写真
学名 Oratosquilla oratoria
系群名 伊勢・三河湾系群
担当水研 中央水産研究所

生物学的特性

寿命: 4歳
成熟開始年齢: 1歳(100%)
産卵期・産卵場: 5~9月、伊勢・三河湾内
食性: 肉食(東京湾では体長に応じて魚類、貝類、多毛類および甲殻類)
捕食者: マアナゴ、ハモ

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

愛知県及び三重県における本系群の漁獲は、ほぼ全て小型機船底びき網漁業(小底)によるものである。 伊勢・三河湾での小底における最重要魚種の一つであり、2002年度には資源回復計画の対象となった。 同計画で実施されていた措置は、2011年の同計画終了後も、一部見直しが行われつつ新たな指針の下で継続して実施されている。 2009年から愛知県の小底では、産卵親魚の確保を目的とした冬期の漁獲制限を実施している。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

愛知県及び三重県における1970年以降の合計漁獲量は最大で2,000トンを超え、概ね1,000トン台であった。 1999年に1,000トンを割り込んで以降は両県とも減少傾向が続いてきた。 2018年漁獲量は217トン(愛知県212トン、三重県5トン)であり、記録的な不漁であった2017年漁獲量(105トン)から100トン以上増加した。

▲このページのTOPへ

資源評価法

シャコ漁獲の大部分を占める愛知県の主要水揚げ港を根拠地とする小底によるシャコの単位漁獲努力量あたりの漁獲量(CPUE)を資源量指標値とし、資源状態を判断した。 また、月別漁獲量の推移、各県の生物情報収集調査、標本船調査、漁場一斉調査並びに新規加入量調査の結果も資源状態の判断材料とした。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源量指標値(小底シャコCPUE)は、2000年以降は中位と低位の境界付近で増減を繰り返し、近年は2013年や2017年のように極端に低い年も見られる。 過去30年(1989~2018年、2017年除く)の資源量指標値について最高値と最低値の間を3等分し、32.3、20.1を境に上から高位、中位、低位として資源水準を判断した。 2018年の資源量指標値は24.7で水準は中位となった。 2018年の水準は2017年の低位から中位となったが、2016年級が比較的多く漁獲加入したことが要因と見られる。 動向は直近5年間(2014~2018年)の資源量指標値の推移から減少と判断した。 なお、漁獲主体が2017年級に切り替わった2018年秋以降の漁獲が低調なこと等から、2019年の資源水準は低位となる可能性が高い。

▲このページのTOPへ

管理方策

資源水準及び資源量指標値(小底シャコCPUE)の変動傾向に合わせて漁獲を行うことを管理目標として2020年ABCを算出した。 体長10cm未満の小型個体は翌年の漁獲主体であり、過去にはこれらの著しい減耗が極端な不漁を引き起こした。 2017年級群も減耗している恐れがあり、資源水準の低下が予想されるため、2020年ABCは予防的なものを推奨する。 現在実施されている小型個体の再放流は翌年漁獲主体となる年級の保護と産卵親魚量の確保につながるため、確実な実施の継続が望まれる。 夏季には漁獲圧の局所的な高まりから小型個体の大量入網が見られ、この時期は再放流後の生残率も低下することから、小型個体の入網を低減するため操業実態を踏まえた合理的な漁場利用ルールを検討していく必要がある。
管理基準 Target/Limit 2020年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値から
の増減%)
1.0・Cave3-yr・1.13 Target 179
(-)
Limit 224
(-)

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ


執筆者:澤山周平・山本敏博

資源評価は毎年更新されます。