令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 ニシン 魚種写真
学名 Clupea pallasii
海域名 北海道
担当水研 水産資源研究所
水産技術研究所

生物学的特性

寿命: 6歳~7歳(地域性ニシン)、10歳~18歳(北海道・サハリン系群)
成熟開始年齢: 地域性ニシンでは2歳(100%)、北海道・サハリン系群では4歳(50%)
産卵期・産卵場: 1月~5月(地域性ニシン)、3月~5月(北海道・サハリン系群)、地域性ニシンは北海道の沿岸域や汽水湖沼域で産卵、北海道・サハリン系群はサハリン南西沿岸で産卵
食性: カイアシ類、端脚類、オキアミ類、魚類(卵・仔稚魚を含む)
捕食者: 大型魚類、頭足類、海産哺乳類

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

19世紀末~20世紀初頭には北海道・サハリン系群が大規模に資源を形成した。 しかし、同系群は20世紀中頃に著しく減衰したため、近年の主な漁獲対象は地域性ニシン(石狩湾系群および沿岸各地の湖沼性ニシン)である。 漁獲は刺網や小型定置網などの沿岸漁業と沖合底びき網漁業(沖底)による。 漁期や産卵群、索餌群、越冬群などの漁獲対象は水域により異なる。 種苗放流対象であり、2017年には565.2万尾が放流された。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

2019年の全体の漁獲量(暫定値)は1.48万トン(沿岸漁業が8,621トン、沖底が6,182トン)であった。 日本海では、1990年代には100トン以下の年もあった沿岸漁業の漁獲量が2000年以降は増加傾向にある。 オホーツク海では、沖底の漁獲量が多いが、2018年、2019年には沿岸漁業の漁獲量が大幅に増加した。 太平洋・根室海峡では、沿岸漁業の漁獲量が大部分を占め、2011年以降は増加傾向にある。

▲このページのTOPへ

資源評価法

近年では、北海道・サハリン系群によると考えられる漁獲量の増加は頻繁には起こらず、北海道周辺の資源は石狩湾系群および沿岸各地の湖沼性ニシンによって主に支えられている。 北海道・サハリン系群が減衰した後(1975年~2019年)の沿岸漁業と沖底による漁獲量の合計に基づいて資源評価を行った。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源水準は、1975年~2019年の漁獲量を平均した値を50として各年の漁獲量を指標値(資源水準値)化し、70以上を高位、30以上70未満を中位、30未満を低位とした。 2019年の資源水準は、資源水準値が92.0となったため高位と判断した。 動向は、直近5年間(2015年~2019年)における漁獲量の推移から増加と判断した。

▲このページのTOPへ

管理方策

各地の地域性ニシンを漁獲対象とする沿岸漁業の管理が重要である。 多くの漁場において、産卵親魚を確保する目的で刺網の目合を規制することによる未成魚の保護が行われている。 このような取り組みの中、2000年以降は日本海および太平洋・根室海峡において沿岸漁業の漁獲量が増加傾向となった。 未成魚を保護することによる産卵親魚を確保する取り組みの継続は不可欠である。 種苗放流は地域性ニシンの分布域の広範囲で行われるようになったが、稚魚期までの生残が加入量変動に大きな影響を及ぼすと考えられるため、産卵場となる沿岸域や汽水湖沼域の環境保全と並行して進める必要がある。

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ

執筆者:横田高士・千村昌之・境 磨

資源評価は毎年更新されます。