令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

[詳細版へ]
標準和名 ヤリイカ 魚種写真
学名 Heterololigo bleekeri
系群名 太平洋系群
担当水研 水産資源研究所

生物学的特性

寿命: 1年
成熟開始年齢: 約1歳
産卵期・産卵場: 1月~6月、九州~東北の沿岸各地
食性: 外套背長50mmまでは主にカイアシ類、60mm~150mmではカイアシ類、オキアミ類、アミ類、170mm前後からは魚類
捕食者: 海産哺乳類、大型魚類等

▲このページのTOPへ

漁業の特徴

ヤリイカ太平洋系群は、北部(岩手県~千葉県)では主に沖合底びき網漁業(沖底)のオッタートロール漁法(オッタートロール)、定置網、小型底びき網漁業(小底)で漁獲される。 中部(静岡県以西の本州)では沖底のかけまわしと小底、南部(四国・九州)では沖底の2そうびきで主に漁獲される。

▲このページのTOPへ

漁獲の動向

ヤリイカ太平洋系群の漁獲量は、2012年~2014年に急増し、4,000トンを超えた。 2015年と2016年は2,500トン前後に減少したが、その後増加し、2017年以降の漁獲量は3,000トン台で推移している。 2019年の漁獲量は3,742トンであった。 1990年までは北部と中部・南部の漁獲量は同程度であったが、1990年代以降は北部の漁獲量が全体の80%程度、2012年以降は80%~90%となった。 海域によって漁獲量の変動が異なる要因として、ヤリイカの分布域が水温上昇とともに北偏したことが指摘されている。

▲このページのTOPへ

資源評価法

ヤリイカ太平洋系群では、北部と中部・南部の漁業の状況と資源の変動傾向が大きく異なることから、海域別に水準・動向を判断した。 北部海域では、オッタートロールの日別船別の単位努力量当たり漁獲量(CPUE)(kg/網)を一般化線形モデルで標準化した指標値(標準化CPUE)をもとに資源水準と動向を判断した。 中部・南部では、水準判断には漁獲量を、近年の動向は沖底の2そうびきにおけるCPUE(年間漁獲量/年間総網数)を指標値に用いて判断した。

▲このページのTOPへ

資源状態

資源水準は北部では標準化CPUEが算出可能な1997年~2019年、中部・南部では漁獲量データが利用可能な1978年~2019年の指標値について、平均値の1.3倍より高い場合を高位、平均値の0.7倍より低い場合を低位と判断した。 北部では2019年の標準化CPUEは平均比1.71倍であり、高位・中位の境界である平均比1.3倍を上回ったことから、資源水準は高位と判断した。 中部・南部では2019年の漁獲量(331トン)は中位・低位の境界である平均値0.7倍(575トン)を下回ったことから、資源水準は低位と判断した。 資源動向は、北部では標準化CPUEの直近5年間(2015年~2019年)の推移から増加と判断した。 中部・南部では沖底の2そうびきのCPUEの直近5年間(2015年~2019年)の推移から、増加と判断した。 系群全体の資源水準・動向は、現在の漁獲量の中心である北部を優先し、水準は高位、動向は増加と判断した。

▲このページのTOPへ

管理方策

資源水準および資源量指標値の変動傾向に合わせた漁獲を管理目標とし、海域別にABCを算定し、合計して太平洋系群全体のABCとした。 単年性のいか類では、毎年の加入量が環境要因によって大きく変化し、予測も困難である。 そのため、努力量規制による管理が効果的である。 また、本系群では海域によって漁業の操業形態が異なっていることに加え、海洋環境に対する資源の応答も異なると考えられていることから、海域ごとに資源管理を実施することも重要である。
管理基準 Target/Limit 2021年ABC
(トン)
漁獲割合
(%)
F値
(現状のF値
からの増減%)
1.0・北部Cave3-yr・1.11
0.7・中部・南部Cave3-yr・1.13
Target 3,130
Limit 3,910

▲このページのTOPへ

資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

▲このページのTOPへ

執筆者:時岡 駿・木所英昭・冨樫博幸・成松庸二・鈴木勇人・森川英祐・三澤 遼・金森由妃・永尾次郎

資源評価は毎年更新されます。