平成27年度資源評価報告書(ダイジェスト版)

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標準和名 キチジ 魚種写真
学名 Sebastolobus macrochir
系群名 道東・道南
担当水研 北海道区水産研究所

生物学的特性

寿命: 不明(太平洋北部では20歳程度)
成熟開始年齢: 16cm(3~5歳;一部)、24cm(6~10歳;50%)
産卵期・産卵場: 3~5月、恵山海丘、襟裳岬沖、釧路沖、落石沖の山状の地形の周辺(水深400~850m)
索餌期・索餌場: 周年、北海道太平洋側沖合、主な分布水深は300~900m
食性: クモヒトデ類、ヨコエビ類、オキアミ類、エビ・カニ類、多毛類、魚類など
捕食者: マダラ、アブラガレイ、キチジ(共食い)

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漁業の特徴

沖合底びき網漁業(沖底)のほか、えびこぎ網(旧エビ桁網)や刺し網などの沿岸漁業により周年漁獲される。

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漁獲の動向

漁獲量は、道東と道南、沖底と沿岸漁業のいずれの海域、漁業においても、長期的には減少傾向にあるが、2000年以降は横ばい~若干の増加傾向で推移している。2008年以降は増加傾向を示し、2014年は339トンであった。2012年以前の漁獲量は、沖底よりも沿岸漁業の方が多かったが、2013年以降は同程度となった。漁場別に見ると、道南よりも道東で漁獲量が多い。

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資源評価法

長期間のデータがそろっている漁獲量の推移に基づき、資源水準を判断した。また、1999年以降は底魚を対象とした北海道太平洋沖合域のトロール調査によりキチジの分布密度を推定しており、分布密度から動向を判断した。さらに、漁船の漁獲物(沖底、えびこぎ網、および刺し網)から採集した標本と、銘柄別水揚げ記録を用いて、漁獲物の体長組成を求め、加入状況を推察した。

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資源状態

2001年以降、トロール調査での分布密度は豊度の高い年級群の成長に伴って増加傾向にあったが、2013年以降は2年続けて減少した。資源水準は、各海域の漁業種類別の漁獲量データがそろう、過去29年間(1986~2014年)の漁獲量の最高値と0を3等分して上から高位、中位、低位とし、低位と判断した。最近5年間(2011~2015年)の道東海域における分布密度の推移から資源動向は横ばいと判断した。漁獲物は50%成熟体長とされる24cmより小さいものが大部分を占め、小型魚に高い漁獲圧がかかり、資源の再生産が阻害されている可能性が高い。

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管理方策

資源水準は低位、動向は横ばいである。成熟前の小型魚が漁獲の中心となっており、資源に対する漁獲の影響は大きいと推察されることから、漁獲圧を下げる必要がある。このため、資源量指標値(道東海域の分布密度)に合わせて漁獲圧を下げることを管理目標として2016年ABCを算定した。豊度の高い年級群が成熟するまで獲り残し、親魚を増加させることが、資源状態の改善に働くと期待される。一方、キチジの餌生物(定着性小型魚、エビ等)が生息可能な海底環境の保全・復元を図ることも、資源回復にとって不可欠である。
管理基準 Limit/Target F値 漁獲割合
(%)
2016年ABC
(トン)
0.7・Cave3-yr・0.64 Limit - - 150
Target - - 120

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資源評価のまとめ

管理方策のまとめ

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執筆者:濱津友紀・森田晶子・船本鉄一郎

資源評価は毎年更新されます。