令和2年度資源評価報告書(ダイジェスト版)
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東シナ海底魚類 |
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エソ類
| ワニエソ
| Saurida wanieso
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トカゲエソ
| Saurida elongata
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マエソ
| Saurida macrolepis
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クロエソ
| Saurida umeyoshii
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ハモ
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| Muraenesox cinereus
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マナガツオ類
| マナガツオ
| Pampus punctatissimus
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コウライマナガツオ
| Pampus echinogaster
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カレイ類
| ムシガレイ
| Eopsetta grigorjewi
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メイタガレイ
| Pleuronichthys cornutus
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ナガレメイタガレイ
| Pleuronichthys japonicus
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海域名 |
東シナ海 |
担当水研 |
水産資源研究所 |
漁業の特徴
主に以西底びき網漁業(以西)によって漁獲される。
以西のかつての漁場は東シナ海・黄海の大陸棚上の広域に及んでいたが、現在では主に我が国EEZ内の九州西方海域に縮小した。
対象種も大きく変化し、現在ではキダイ、マダイ、カイワリ等が大きな割合を占め、かつての主な対象魚種であったグチ類やハモの占める割合は小さくなっている。
我が国の他、中国・韓国も漁獲している。
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資源評価法
評価対象魚種4種群について、多変量自己回帰状態空間モデル(MARSSモデル)を用いて、以西の統計値および主に冬季(11月~12月)に東シナ海で実施している東シナ海底魚資源分布生態調査(着底トロール調査)の1網当たりの漁獲量(CPUE)から東シナ海海域の資源量指数を推定し、水準の判断に用いた。
また、これらの資源量指数のうち、近年5年間(2015年~2019年)の推移を用いて動向を判断した。
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管理方策
本資源は、産卵場を含む主分布域が我が国EEZ外に存在する。
我が国の漁獲努力が著しく減少している一方、中国と韓国による漁獲は我が国よりはるかに多く、本資源に与える影響は極めて大きい。
東シナ海における有効な資源管理のためには、関係各国の協力体制の構築が必要である。
現在の我が国の漁獲が東シナ海底魚類の資源状態に与える影響は非常に小さいと考えられるため、我が国においては、実際の分布量に見合った漁獲を継続することを管理目標とするのが妥当である。
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資源評価のまとめ
- MARSSモデルを用いて資源量指数を推定し、全ての魚種の資源水準を低位と判断した
- 資源動向はMARSSモデルによって求めた資源量指数の2015年~2019年の推移から、エソ類、マナガツオ類およびカレイ類を横ばい、ハモを減少とした
管理方策のまとめ
- 我が国においては、実際の分布量に見合った漁獲を継続することを管理目標とするのが妥当である
- 中国・韓国による対象資源の漁獲は我が国よりはるかに多く、有効な資源管理のためには関係各国の協力体制の構築が必要
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執筆者:青沼佳方・酒井 猛・川内陽平